海面水温・海流(東北周辺海域)
平成29年12月20日発表
仙台管区気象台
診断(2017年12月中旬)
- 東北周辺海域の海面水温は、平年より低い海域が拡大しましたが、本州東方の北緯40度以北では、平年より高い海域が拡大しました。
- 親潮の南限位置は、東経148度以東に後退しています。親潮の面積は、平年よりかなり小さくなっています。
- 対馬暖流は、佐渡付近の北緯38.5度、東経138度付近から東北東に流れ、酒田沖の北緯39度、東経139度付近から北に流れ、北緯41.5度付近から東に流れ、津軽海峡に達しています。
東北周辺海域の海面水温平年差分布図(12月19日)
海面水温の平年値(1981〜2010年の30年間の平均値)からの差を示しています。 平年差は、図の右にある0.5℃ごとのスケールと同じ色で色分けされています。 内湾域等は、薄い灰色で示しています。 また、海氷のために海面水温のデータがない海域は、灰色の網掛けで示しています。
この図の海面水温平年差は速報値です。東北周辺海域のデータの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがあります。
解説
海面水温
東北周辺海域の海面水温は、寒気や強風の影響で、平年より低い海域が拡大しましたが、本州東方の北緯40度以北では、下層の暖水の影響で、平年より高い海域が拡大しました。仙台湾や金華山沖、常磐沖では下層の冷水の影響もあり、海面水温が平年よりかなり低い海域がみられます。日本海の海面水温は、平年より低い海域が拡大し、おおむね平年並か平年より低くなりました。
海面水温の今後の見通し
向こう1か月、本州東方の海面水温は平年並ですが、三陸沖では平年より高く、常磐沖では平年より低いでしょう。日本海の海面水温は平年より低いでしょう。
海流の実況と見通し
2017年12月中旬の東北周辺海域の海流の実況と見通しは、表のとおりです。
表:東北周辺海域の海流の実況と見通し 海域・項目 実況 向こう1か月の見通し(注) 親潮の沿岸寄りの分枝の南限位置(※1) 東経 148 度以東に後退(北緯42.5度、東経150.5度付近) 北緯42度、東経143.5度付近 親潮の沖合の分枝の南限位置(※1) なし なし その他の親潮系冷水の位置 北緯40.5度から42度、東経147.5度付近、北緯41.5度、東経149度付近 - 親潮の面積(※2) 平年よりかなり小さい 平年よりかなり小さい 津軽暖流の東端の経度(※3) 東経143.5度付近(平年並) - 日本の東の黒潮系暖水の北限緯度(※4) 北緯37.5度付近(平年より南)(経度は東経143.5度付近) - 日本の東のその他の顕著な現象 三陸沖の北緯40度、東経143.5度付近に暖水渦が、北緯38度、東経143度付近に冷水域が、それぞれみられる - 日本海の海流 対馬暖流は、佐渡付近の北緯38.5度、東経138度付近から東北東に流れ、酒田沖の北緯39度、東経139度付近から北に流れ、北緯41.5度付近から東に流れ、津軽海峡に達している
秋田沖の北緯39.5度、東経137.5度付近では、時計回りの流れがみられる- (注)『 − 』は、海面水温・海流1か月予報に記載がない項目です。
(※)が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。
- 参考情報:暖水渦・冷水渦
海面水温の診断にあたって
- 1981〜2010年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり高い(低い)」としています。