海面水温・海流(東北周辺海域)
平成26年12月19日発表
仙台管区気象台
診断(2014年12月中旬)
- 本州東方と日本海の海面水温は、平年より高い海域が縮小し、平年より低い海域が拡大しました。
- 親潮の南限位置は、東経148度以東に後退した状態が続いており、北緯41度、東経150度付近にあります。親潮の面積は、平年並となりました。
- 対馬暖流は、北緯39度、東経139.5度付近からは北に流れて津軽沖に達しています。
東北周辺海域の海面水温平年差分布図(12月18日)
海面水温の平年値(1981〜2010年の30年間の平均値)からの差を示しています。 平年差は、図の右にある0.5℃毎のスケールと同じ色で色分けされています。 内湾域等は、薄い灰色で示しています。 また、海氷のために海面水温のデータがない海域は、灰色の網掛けで示しています。
この図の海面水温平年差は速報値です。東北周辺海域のデータの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがあります。
解説
海面水温
本州東方の海面水温は、寒気の影響により平年より高い海域が縮小し、平年より低い海域が拡大しました。三陸沖では、寒気の影響に加え、下層でも冷水が広がった影響により、平年よりかなり低い海域がみられるようになりました。また、常磐沖では、11月上旬から12月上旬までみられた海面水温が平年より2℃以上高い海域はみられなくなりました。
日本海の海面水温は、寒気の影響により平年より高い海域が縮小し、平年より低い海域が拡大しました。
海面水温の今後の見通し
向こう1か月、本州東方の海面水温は、平年並か平年より低く、金華山沖は平年よりかなり低くなるでしょう。
日本海の海面水温は、平年並か平年より低いでしょう。
海流の実況と見通し
2014年12月中旬の東北周辺海域の海流の実況と見通しは、表のとおりです。
表:東北周辺海域の海流の実況と見通し 海域・項目 実況 向こう1か月の見通し(注) 親潮の沿岸寄りの分枝の南限位置(※1) 北緯41度、東経150度付近 北緯41度、東経147度付近 親潮の沖合の分枝の南限位置(※1) なし なし その他の親潮系冷水の位置 北緯42度、東経144.5度付近、北緯41度、東経147度付近、および北緯39.5度、東経146.5度付近 − 親潮の面積(※2) 平年並 平年並 津軽暖流の東端の経度(※3) 東経144度付近(平年より東) − 日本の東の黒潮系暖水の北限緯度(※4) 北緯38度付近(平年並) − 日本の東のその他の顕著な現象 北海道東方の北緯42度、東経147.5度付近に暖水域がみられる − 日本海の海流 対馬暖流は、北緯39度、東経139.5度付近から北に流れて津軽沖に達している − (注)『 − 』は、海面水温・海流1か月予報に記載がない項目です。
(※)が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。
海面水温の診断にあたって
- 1981〜2010年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり高い(低い)」としています。