海面水温・海流(九州・山口県周辺海域)
平成26年8月20日発表
福岡管区気象台
診断(2014年8月中旬)
- 九州・山口県周辺海域の海面水温は、おおむね平年より低くなっています。特に山陰沖西部から九州西方にかけての海域では、海面水温が平年よりかなり低くなっています。
- 黒潮は、トカラ海峡の北緯29.7度付近を南東に流れ、都井岬に接岸して流れています。
九州・山口県周辺海域の海面水温平年差分布図(8月19日)
海面水温の平年値(1981〜2010年の30年間の平均値)からの差を示しています。 平年差は、図の右にある0.5℃毎のスケールと同じ色で色分けされています。 内湾域等は、薄い灰色で示しています。
この図の海面水温平年差は速報値です。海洋のデータバンクの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがありますので、最新の資料は、データバンクをご利用ください。
解説
海面水温
九州・山口県周辺海域は、海面水温が平年ではこの10日間でほとんど変化しない時期ですが、8月上旬後半の台風第11号の影響と、今旬は低気圧や前線で日照時間が平年より少なかった影響で、広い海域で海面水温が低下し、おおむね平年より低くなっています。特に山陰沖西部から九州西方にかけての海域では、海面水温が平年より2℃以上低い海域が広くみられるようになりました。
- 参考情報:台風による水温低下
海面水温の今後の見通し
向こう1か月の九州・山口県周辺海域の海面水温は、平年より低く経過するでしょう。
海流の実況と見通し
2014年8月中旬の九州・山口県周辺海域の海流の実況と見通しは、表のとおりです。
表:九州・山口県周辺海域の海流の実況と見通し 海域・項目 実況 向こう1か月の見通し(注) トカラ海峡の黒潮の通過緯度/向き(※1) 北緯29.7度 / 南東 − 都井岬での黒潮の離岸・接岸(※1) 接岸 離岸と接岸を繰り返す 九州・山口県周辺海域のその他の顕著な現象 特にみられない − (注)『 − 』は、海面水温・海流1か月予報に記載がない項目です。
(※)が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。
海面水温の診断にあたって
- 1981〜2010年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり高い(低い)」としています。