奄美地方の平年の天候

奄美地方

図1 奄美地方の地勢図

名瀬の気象要素の季節変動

図2 名瀬の気象要素の季節変動

凡例

 気温は、盛夏となる7月から8月が1年のうちで最も高くなり、平均気温はおよそ28℃になります。一方、冬場の1月から2月にかけての平均気温は、年間で最も低くなりおよそ15℃です。

 月降水量は1年を通じて150mmを上回ります。奄美地方の梅雨期間は5月から6月で、6月の降水量が顕著に多くなります。

 日照時間は、7~8月が太平洋高気圧に覆われて晴れの日が多くなるため、1年のうちで最も多くなります。一方、11月~翌3月頃までは寒気の影響により曇りや雨の日が多なるため月間の日照時間は100時間未満と少なく、特に1月から2月にかけてはひと月の間に晴れとなる日数は平年では5日程度となります。

春の天候(3月~5月)

2012年4月13日の天気図

図3 2012年4月13日9時の地上天気図

奄美地方では低気圧や前線の影響を受け、日中を中心に雨となりました。

 低気圧と高気圧が、交互に日本付近を西から東へ通過します。低気圧の通過前(通過後)には南(北)からの暖かい(冷たい)気流が流れ込み、気温が上昇(下降)します。

 奄美の気温はこうした短期の変動を繰り返しつつ、次第に上昇していきます。

 奄美地方では、5月中旬から6月下旬が梅雨の時期です。

夏の天候(6月~8月)

2011年8月9日の天気図

図4 2011年8月9日9時の地上天気図

奄美地方では太平洋高気圧に覆われて朝から晴れたため、気温が上昇し、8地点で真夏日。伊仙では猛暑日を観測しました。

 梅雨明け以後は晴天の日が多くなるため、台風が来なければ、まとまった雨が降ることが少なくなります。しかし、夏場の強い日射の影響で発生する積乱雲は、本土と同様に島嶼でも発生するため、局地的な激しい雨には注意が必要です。

 最高気温は連日30℃を超える真夏日となりますが、海洋性気候のため35℃以上の猛暑日となるのは稀です。また、夜間は最低気温25℃以上の熱帯夜の日が多くなります。

秋の天候(9~11月)

2013年10月28日の天気図

図5 2013年10月28日9時の地上天気図

移動性高気圧に覆われ、奄美地方では、はじめ雲が広がっていたがその後は晴れとなりました。日最低気温は、寒気の影響で11月中旬から12月中旬並の冷え込みとなりました。

 9月は太平洋高気圧に覆われることが多いため、晴れの日が多く残暑も厳しいです。最高気温は30℃を上回る真夏日となる日が多いです。

 10月に入ると太平洋高気圧の勢力は次第に弱まり、大陸からの移動性高気圧と低気圧が交互に通るようになるため、晴れの日と雨の日、暖かい日と寒い日が周期的に現れるようになります。 気温は朝晩は20℃以下となる日もでてきます。11月になると最高気温が25℃以上の夏日となる日がようやく少なくなります。11月も後半になると、大陸からの寒気の影響を受けはじめるため曇りや雨の日が増えてきます。

 なお、7月から10月までは台風が接近することがあり、動向には十分注意が必要です。

冬の天候(12月~2月)

2010年12月31日の天気図

図6 2010年12月31日9時の地上天気図

奄美地方では、強い冬型の気圧配置となり風が強く、しぐれ模様の天気となりました。

 奄美地方では、この時期には大陸から寒気が流れ込んで、東シナ海で対流雲が次々に発生するため断続的に雨や曇りの天候、すなわち時雨(しぐれ)になる日が多く、日照時間は一年のうちで最も少ない時期となります。気温は亜熱帯気候のため、10℃以下となる日は少ないです。