日本近海の海面水温(月概況)
令和7年8月20日 気象庁発表
(次回発表予定 9月22日)
診断 (2025年7月)
- オホーツク海南部、日本海北部では、海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中A)。
- 北海道南東方、日本海南部、本州東方では、海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中B)。
- 東シナ海北部、四国・東海沖では、広い範囲で海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中C)。
- 関東南東方では、広い範囲で海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中D)。
- 東シナ海南部、沖縄の東では、海面水温が平年より高い海域がみられました(図中E)。
- 沖縄の南では、広い範囲で海面水温が平年並となっていました(図中F)。
- 父島近海、南鳥島近海では、広い範囲で海面水温が平年より低く、平年よりかなり低い海域もみられました(図中G)。
日本近海の月平均海面水温平年差分布図(2025年7月)
海面水温の平年値(1991〜2020年の30年間の平均値)からの差を示しています。 平年差は、図の右にある0.5℃ごとのスケールと同じ色で色分けされています。 内湾域等は、薄い灰色で示しています。また、海氷のために海面水温のデータがない海域は、灰色の網掛けで示しています。
この図の海面水温平年差は速報値です。日本近海のデータの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがあります。
解説
日本近海の海面水温
日本近海の海面水温は、北緯30度以北の広い範囲で平年よりかなり高くなっていました。解析値のある1982年以降で、7月として、日本海北部、日本海南部、北海道南東方、本州東方では1位、東シナ海北部では1994年と並んで1位タイの高い海面水温となりました(速報値)。
オホーツク海南部、日本海北部では、海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中A)。
北海道南東方、日本海南部、本州東方では、海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中B)。これらの海域では、上旬に平年より日射量が多かった影響に加え、暖かく湿った空気の影響もあり、平年よりかなり高い海域が拡大しました。その後、北海道南東方と本州東方では、中旬に平年より風が強かった影響で、海面水温が平年よりかなり高い海域が縮小しました。
東シナ海北部、四国・東海沖では、広い範囲で海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中C)。これらの海域では、上旬は海面水温が平年よりかなり高くなっていましたが、中旬と下旬に熱帯低気圧や台風第7号、台風第8号により平年より風が強かった影響で、海面水温が平年よりかなり高い海域が縮小し、平年より低い海域がみられるようになりました。
関東南東方では、広い範囲で海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中D)。この海域では、上旬と中旬に熱帯低気圧や台風第3号、台風第5号により平年より風が強かった影響で、海面水温が平年よりかなり高い海域が縮小しました。
東シナ海南部、沖縄の東では、海面水温が平年より高い海域がみられました(図中E)。これらの海域では、上旬に広い範囲で海面水温が平年よりかなり高くなっていましたが、中旬と下旬に熱帯低気圧や台風第7号、台風第8号により平年より風が強かった影響や、平年より日射量が少なかった影響で、海面水温が平年より低くなり、平年よりかなり低い海域もみられるようになりました。
沖縄の南では、広い範囲で海面水温が平年並となっていました(図中F)。この海域では、6月下旬に広い範囲で海面水温が平年よりかなり高くなっていましたが、7月上旬と中旬に台風第4号、台風第6号により平年より風が強く、日射量が少なかった影響で、中旬に海面水温が平年よりかなり高い海域がみられなくなりました。その後、下旬に台風第7号、台風第8号により平年より風が強く、日射量が少なかった影響で、海面水温が平年より低くなり、平年よりかなり低い海域もみられるようになりました。
父島近海、南鳥島近海では、広い範囲で海面水温が平年より低く、平年よりかなり低い海域もみられました(図中G)。これらの海域では、上旬と中旬に熱帯低気圧や台風第3号、台風第5号により平年より風が強かった影響に加え、平年より日射量が少なかった影響もあり、海面水温が平年よりかなり低い海域が拡大しました。
- 参考図:日本近海の月平均海面水温分布図(2025年7月)
- 参考図:日本近海の旬平均海面水温分布図(2025年7月) [ 上旬 | 中旬 | 下旬 ]
- 参考図:日本近海の旬平均海面水温平年差分布図(2025年7月) [ 上旬 | 中旬 | 下旬 ]
- 参考図:日本近海の深さ100mの旬平均水温分布図(2025年7月) [ 上旬 | 中旬 | 下旬 ]
- 参考情報:暖水渦・冷水渦
- 参考情報:台風による水温低下
- 参考情報:北西太平洋の海面水温(月概況)
海面水温の診断にあたって
- 1991〜2020年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり高い(低い)」としています。