日本近海の海面水温

令和7年4月30日 気象庁発表
(次回発表予定  5月9日)

診断(2025年4月下旬)

  • オホーツク海南部、北海道南東方では、海面水温が平年よりかなり高い海域がほぼみられなくなりましたが、広い範囲で平年より高くなっています(図中A)。
  • 日本海北部では、海面水温が平年よりかなり高い海域が縮小しました(図中B)。
  • 日本海南部では、海面水温が平年よりかなり低い海域がみられなくなりましたが、引き続き広い範囲で平年より低くなっています(図中C)。
  • 本州東方では、海面水温が平年より低い海域が拡大しました(図中D)。
  • 東シナ海、四国・東海沖、関東南東方、沖縄の東、父島近海では、海面水温が平年より低い海域が縮小し、平年より高い海域が拡大しました(図中E)。
  • 沖縄の南では、海面水温が平年よりかなり低い海域がみられなくなり、平年よりかなり高い海域がみられるようになりました(図中F)。
  • 南鳥島近海では、海面水温が平年より低い海域がみられなくなり、平年よりかなり高い海域が拡大しました(図中G)。

日本近海の海面水温平年差分布図(4月29日)
日本近海の海面水温平年差分布図(4月29日)

海面水温の平年値(1991〜2020年の30年間の平均値)からの差を示しています。 平年差は、図の右にある0.5℃ごとのスケールと同じ色で色分けされています。 内湾域等は、薄い灰色で示しています。また、海氷のために海面水温のデータがない海域は、灰色の網掛けで示しています。

この図の海面水温平年差は速報値です。日本近海のデータの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがあります。

解説

日本近海の海面水温

オホーツク海南部、北海道南東方では、平年より日射量が少なかった影響で、海面水温が平年よりかなり高い海域がほぼみられなくなりましたが、広い範囲で平年より高くなっています(図中A)。

日本海北部では、平年より日射量が少なかった影響に加え、平年より風が強かった影響もあり、海面水温が平年よりかなり高い海域が縮小しました(図中B)。

日本海南部では、平年より風が弱かった影響に加え、暖かく湿った空気の影響もあり、海面水温が平年よりかなり低い海域がみられなくなりましたが、引き続き広い範囲で平年より低くなっています(図中C)。

本州東方では、海面水温が平年より低い海域が拡大しました(図中D)。この海域で海面水温が平年よりかなり高い海域がみられることには、下層の暖水の影響もあると考えられます。

東シナ海、四国・東海沖、関東南東方、沖縄の東、父島近海では、平年より風が弱かった影響や暖かく湿った空気の影響により、海面水温が平年より低い海域が縮小し、平年より高い海域が拡大しました(図中E)。四国・東海沖で海面水温が平年よりかなり低い海域がみられることには、黒潮の離岸に伴う下層の冷水の影響もあると考えられます。

沖縄の南では、平年より風が弱かった影響や平年より日射量が多かった影響に加え、暖かく湿った空気の影響もあり、海面水温が平年よりかなり低い海域がみられなくなり、平年よりかなり高い海域がみられるようになりました(図中F)。

南鳥島近海では、平年より風が弱かった影響や暖かく湿った空気の影響に加え、平年より日射量が多かった影響もあり、海面水温が平年より低い海域がみられなくなり、平年よりかなり高い海域が拡大しました(図中G)。

今後の見通し

オホーツク海南部、日本海北部、北海道南東方、東シナ海、四国・東海沖、沖縄の南の海面水温は、向こう1か月、平年より高いか、かなり高いでしょう。

日本海南部の海面水温は、向こう1か月、平年並か平年より低いでしょう。

本州東方、関東南東方、沖縄の東の海面水温は、向こう1か月、平年並か平年より高いでしょう。


海面水温の診断にあたって

  • 1991〜2020年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり高い(低い)」としています。

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