日本近海の海面水温（月概況）

令和3年4月20日 気象庁発表

診断 (2021年3月)

  • 日本海北部では、海面水温が平年より低い海域がみられました(図中A)。
  • 北海道南東方、三陸沖では、海面水温が平年よりかなり低い海域がみられました(図中B)。一方、釧路沖では、海面水温が平年より高い海域が引き続きみられました(図中C)。
  • 日本海中部・南部では、海面水温が平年より高い海域が広くみられ、平年よりかなり高い海域もみられました(図中D)。
  • 本州東方の北緯38度以南、房総沖から伊豆諸島北部、遠州灘から熊野灘では、海面水温が平年よりかなり高い海域がみられました(図中E)。一方、東海沖の北緯33度以南では、海面水温が平年より低い海域がみられました(図中F)。
  • 東シナ海、沖縄の東では、海面水温が平年より高い海域が広くみられ、平年よりかなり高い海域もみられました(図中G)。
  • 父島近海、南鳥島近海では、海面水温が平年より高く、平年よりかなり高い海域もみられました(図中H)。

日本近海の月平均海面水温平年差分布図（2021年3月）
日本近海の月平均海面水温平年差分布図（2021年3月）

海面水温の平年値(1981〜2010年の30年間の平均値)からの差を示しています。 平年差は、図の右にある0.5℃ごとのスケールと同じ色で色分けされています。 内湾域等は、薄い灰色で示しています。また、海氷のために海面水温のデータがない海域は、灰色の網掛けで示しています。

この図の海面水温平年差は速報値です。日本近海のデータの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがあります。

解説

日本近海の海面水温

日本海北部では、海面水温が平年より低い海域がみられました(図中A)。

北海道南東方、三陸沖では、下層の冷水の影響により、海面水温が平年よりかなり低い海域がみられました(図中B)。一方、釧路沖では、暖水渦の影響により、海面水温が平年より高い海域が引き続きみられました(図中C)。

日本海中部・南部では、海面水温が平年より高い海域が広くみられ、下層の暖水の影響もあって、海面水温が平年よりかなり高い海域もみられました(図中D)。

本州東方の北緯38度以南、房総沖から伊豆諸島北部、遠州灘から熊野灘では、黒潮や黒潮から分かれた暖水の影響もあり、海面水温が平年よりかなり高い海域がみられました(図中E)。これらの海域では、寒気が弱く、平年より風が弱かったことから、中旬に海面水温が平年よりかなり高い海域が拡大しました。一方、東海沖の北緯33度以南では、黒潮大蛇行に伴う冷水渦の影響により、海面水温が平年より低い海域がみられました(図中F)。

東シナ海、沖縄の東では、海面水温が平年より高い海域が広くみられ、平年よりかなり高い海域もみられました(図中G)。これらの海域では、上旬に寒気が弱く、中旬に平年より風が弱かったため、中旬に海面水温が平年よりかなり高い海域が拡大しました。

父島近海、南鳥島近海では、海面水温が平年より高く、平年よりかなり高い海域もみられました(図中H)。

海面水温の診断にあたって

  • 1981〜2010年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位（下位）1/10以上（以下）を「平年よりかなり高い（低い）」としています。

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