日本近海の海面水温(月概況)

令和元年12月20日発表
気象庁地球環境・海洋部

診断 (2019年11月)

  • オホーツク海南部では、海面水温が平年よりかなり高い海域がみられました(図中A)。
  • 日本海北部では、海面水温が平年より低い海域が広くみられました(図中B)。
  • 北海道南東方、本州東方では、海面水温が平年より高い海域が広くみられました(図中C)。
  • 日本海中部・南部、関東南東方、四国沖、沖縄の東、父島近海では、海面水温が平年より高く、かなり高い海域もみられました(図中D)。
  • 東海沖では、海面水温が平年よりかなり低い海域がみられました(図中E)。
  • 東シナ海では、海面水温が平年より高い海域が広くみられました(図中F)。
  • 沖縄の南では、海面水温が平年より高い海域がみられました(図中G)。
  • 南鳥島近海では、海面水温が平年より高く、かなり高い海域もみられました(図中H)。

日本近海の月平均海面水温平年差分布図(2019年11月)
日本近海の月平均海面水温平年差分布図(2019年11月)

海面水温の平年値(1981〜2010年の30年間の平均値)からの差を示しています。 平年差は、図の右にある0.5℃ごとのスケールと同じ色で色分けされています。 内湾域等は、薄い灰色で示しています。また、海氷のために海面水温のデータがない海域は、灰色の網掛けで示しています。

この図の海面水温平年差は速報値です。日本近海のデータの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがあります。

解説

日本近海の海面水温

オホーツク海南部では、海面水温が平年よりかなり高い海域がみられました(図中A)。この海域では、上旬は海面水温が平年より高い海域が広くみられましたが、中旬に寒気や平年より風が強かった影響により海面水温が平年より高い海域は縮小し、下旬には海面水温が平年より低い海域が広くみられるようになりました。

日本海北部では、中旬に寒気や平年より風が強かった影響により、海面水温が平年より低い海域が広くみられました(図中B)。

北海道南東方、本州東方では、海面水温が平年より高い海域が広くみられました(図中C)。これらの海域では、中旬に寒気や平年より風が強かった影響により、海面水温が平年より高い海域は縮小しました。釧路沖、関東の東では、下層の暖水の影響で、海面水温が平年よりかなり高い海域がみられました。一方、三陸沖の東経145度以東では、下層の冷水の影響で、海面水温が平年よりかなり低い海域がみられました。

日本海中部・南部、関東南東方、四国沖、沖縄の東、父島近海では、海面水温が平年より高く、かなり高い海域もみられました(図中D)。これらの海域では、上旬は海面水温が平年よりかなり高い海域が広くみられましたが、中旬に平年より風が強かった影響に加え、関東南東方、父島近海では、下旬に平年より風が強かった影響もあり、海面水温が平年よりかなり高い海域は縮小しました。

東海沖では、黒潮大蛇行に伴う冷水渦の影響で、海面水温が平年よりかなり低い海域がみられました(図中E)。一方、伊豆諸島近海、遠州灘、熊野灘では、黒潮や黒潮から分かれた暖水の影響で、海面水温が平年よりかなり高くなっていました。

東シナ海では、海面水温が平年より高い海域が広くみられました(図中F)。

沖縄の南では、海面水温が平年より高い海域がみられました(図中G)。この海域では、上旬は海面水温が平年より高い海域が広くみられましたが、中旬に平年より風が強かったため、海面水温が平年より高い海域が縮小し、下旬には平年より低い海域が広くみられるようになりました。

南鳥島近海では、上旬、中旬の暖かく湿った空気の影響で、海面水温が平年より高く、かなり高い海域もみられました(図中H)。


海面水温の診断にあたって

  • 1981〜2010年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり高い(低い)」としています。

このページのトップへ