日本近海の海面水温(月概況)

平成29年8月21日発表
気象庁地球環境・海洋部

診断 (2017年7月)

  • 日本近海では、広い範囲で海面水温が平年よりかなり高くなっていました。
  • オホーツク海南部、日本のはるか東では、海面水温が中旬以降平年より高くなりました(図中A)。
  • 本州東方では、海面水温が平年より高く、三陸沖、常磐沖では、海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中B)。
  • 日本海中部・南部、東シナ海北部では、海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中C)。
  • 沖縄の東、東シナ海南部、四国・東海沖では、海面水温が平年より高く、沖縄の東や東シナ海南部ではかなり高い海域もみられました(図中D)。
  • 日本の南の北緯25度以南、父島近海、南鳥島近海、沖縄の南では、海面水温が平年よりかなり高く、海面水温が広い範囲で30℃を超えていました(図中E) 。

日本近海の月平均海面水温平年差分布図(2017年7月)
日本近海の月平均海面水温平年差分布図(2017年7月)

海面水温の平年値(1981〜2010年の30年間の平均値)からの差を示しています。 平年差は、図の右にある0.5℃ごとのスケールと同じ色で色分けされています。 内湾域等は、薄い灰色で示しています。また、海氷のために海面水温のデータがない海域は、灰色の網掛けで示しています。

この図の海面水温平年差は速報値です。海洋のデータバンクの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがありますので、最新の資料は、データバンクをご利用ください。

解説

日本近海の海面水温

日本近海の北緯43度以南では、海面水温が平年より高く、広い範囲で平年よりかなり高くなっていました。日本海南部、沖縄の南では、7月の平均海面水温が、1982年以降で最も高くなりました。

オホーツク海南部、日本のはるか東では、上旬は海面水温が平年より低い海域もみられましたが、上旬、中旬の暖かく湿った空気や下旬に日射量が多かった影響で、中旬以降は平年より高くなりました(図中A)。

本州東方では、海面水温が平年より高くなっていました。上旬、中旬に平年より日射量が多く、風が弱かったため、中旬は海面水温が平年よりかなり高くなりました。三陸沖、常磐沖では、下層の暖水の影響もあり、月を通して海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中B)。

日本海中部・南部、東シナ海北部では、上旬、中旬の暖かく湿った空気や中旬に平年より日射量が多かった影響で、海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中C) 。

沖縄の東、東シナ海南部、四国・東海沖では、平年より日射量が多く、風が弱かったため、海面水温が平年より高く、沖縄の東や東シナ海南部ではかなり高い海域もみられました(図中D)。

日本の南の北緯25度以南、父島近海、南鳥島近海、沖縄の南では、海面水温が平年よりかなり高く、広い範囲で海面水温が30℃を超えていました(図中E)。下旬には、台風第5号の影響で、父島近海、南鳥島近海の北緯30度付近では海面水温が平年より高い海域が縮小しました。


海面水温の診断にあたって

  • 1981〜2010年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり高い(低い)」としています。

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