日本近海の海流(月概況)

平成28年1月20日発表
気象庁地球環境・海洋部

診断(2015年12月)

  • 黒潮は、12月を通して沖縄の北西160〜180km付近を流れていました。都井岬、足摺岬、潮岬では12月を通して接岸して流れていました。室戸岬では12月上旬と中旬は接岸、下旬は離岸して流れていました。
  • 東海沖の黒潮の最南位置は、12月上旬は北緯33度、東経137.5度付近、中旬は北緯32.5度、東経139度付近、下旬は北緯32.5度、東経139.5度付近となっていました。伊豆諸島付近では、12月上旬と中旬は三宅島付近を、下旬は八丈島の南を流れていました。
  • 親潮の南限位置は、12月上旬は北緯43.5度、東経148度付近、中旬は北緯43.5度、東経147度付近、下旬は北緯43度、東経146.5度付近でした。親潮の面積は、12月を通して平年よりかなり小さくなっていました。親潮の面積は、5月以降、平年よりかなり小さい状態が続いています。
  • 対馬暖流の勢力は、12月上旬と中旬は平年より弱く、下旬は平年並の状態でした。

日本近海の深さ100mの月平均水温分布図(2015年12月)
日本近海の深さ100mの月平均水温分布図(2015年12月)

この図の水温は速報値です。海洋のデータバンクの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがありますので、最新の資料は、データバンクをご利用ください。 海氷で覆われているため海面水温のデータがない海域は、灰色の網掛けで示しています。

解説

沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流

2015年12月の沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流の実況は、表1のとおりでした。

表1:沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流の旬ごとの経過
海域・項目 上旬 中旬 下旬
沖縄本島から北西沖の黒潮までの距離(※1 180km付近 180km付近 160km付近
トカラ海峡の黒潮の通過緯度/向き(※1 北緯30.0度、南東 北緯30.2度、南東 北緯29.8度、東南東
都井岬での黒潮の離岸・接岸(※1 接岸 接岸 接岸
足摺岬での黒潮の離岸・接岸(※1 接岸 接岸 接岸
室戸岬での黒潮の離岸・接岸(※1 接岸 接岸 離岸
潮岬での黒潮の離岸・接岸(※1 接岸 接岸 接岸
東海沖の黒潮流路の最南位置(※2 北緯33度、東経137.5度 北緯32.5度、東経139度 北緯32.5度、東経139.5度
伊豆諸島付近の黒潮通過位置(※1 三宅島付近 三宅島付近 八丈島の南
房総半島での黒潮の離岸・接岸(※1 接岸 接岸 接岸
その他の顕著な現象 先島諸島の南では、12月上旬に北緯21度、東経123度付近に冷水域がみられた
先島諸島近海では、12月上旬は北緯24度、東経124度付近に、中旬は北緯24.5度、東経125.5度付近に、下旬は北緯25.5度、東経126.5度付近に暖水域がみられた

(※)が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。

 

日本の東と日本海の海流

2015年12月の日本の東と日本海の海流は、表2のとおりでした。

表2:日本の東と日本海の海流の旬ごとの経過
項目 上旬 中旬 下旬
親潮の沿岸寄りの分枝の南限位置(※3 北緯43.5度、東経148度付近 北緯43.5度、東経147度付近(図中A) 北緯43度、東経146.5度付近
親潮の沖合の分枝の南限位置(※3 なし なし なし
その他の親潮系冷水の位置 北緯39.5度、東経148度付近 特にみられない 北緯40.5度、東経149.5度付近
親潮の面積(※4 平年よりかなり小さい 平年よりかなり小さい 平年よりかなり小さい
津軽暖流の東端の経度(※5 東経143.5度付近(平年より東) 東経144度付近(平年より東) 東経143度付近(平年並)(図中B)
日本の東の黒潮系暖水の北限緯度(※6 北緯37.5度付近(平年並)(経度は東経142.5度付近)(図中C) 北緯37.5度付近(平年並)(経度は東経142.5度付近)(図中C) 北緯37.5度付近(平年並)(経度は東経144度付近)
その他の日本の東の海流 本州東方では、12月上旬に北緯39.5度、東経143.5度付近に、暖水域がみられた
釧路沖では、12月上旬は北緯41.5度、東経145.5度付近、中旬は北緯41.5度、東経147度付近に、下旬は北緯42度、東経147度付近に暖水域がみられた
日本海の海流 対馬暖流は12月を通して、山陰沖を北東に流れ、北緯39度、東経135.5度付近からは南東に流れていた
12月上旬は能登半島の北からは北に流れ、中旬と下旬は能登半島の北では東に流れ、佐渡島の西からは北西に流れていた
12月を通して、北緯39.5度、東経137度付近からは東北東に流れ、東経139度付近からは北北西に流れ、北緯42度付近からは東南東に流れて津軽海峡に達していた
朝鮮半島東岸では時計回りの流れがみられた
対馬暖流の勢力(※7 平年より弱い 平年より弱い 平年並

(※)が付いている項目については、「海流の診断の見方」のページもあわせて参照ください。

 

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