日本近海の海流(月概況)

平成27年8月20日発表
気象庁地球環境・海洋部

診断(2015年7月)

  • 黒潮は、7月を通して沖縄の北西170〜180km付近を流れていました。都井岬と足摺岬では7月を通して離岸して流れていました。室戸岬では、7月中旬の後半から下旬の前半にかけては接岸し、それ以外の期間は離岸して流れていました。潮岬では、7月上旬と中旬は離岸、下旬は接岸して流れていました。
  • 東海沖の黒潮の最南位置は、7月中旬は北緯32.5度、東経137度付近、下旬は北緯32度、東経138.5度付近となっていました。伊豆諸島付近では、7月上旬は八丈島の北を、中旬と下旬は三宅島付近を流れていました。
  • 親潮の南限位置は、 7月上旬と中旬は北緯40.5度、東経143.5度付近、下旬は北緯41度、東経143.5度付近でした。親潮の面積は、7月を通して平年よりかなり小さくなっていました。親潮の面積は、5月以降、平年よりかなり小さい状態が続きました。
  • 対馬暖流の勢力は、7月を通して平年より強い状態でした。

日本近海の深さ100mの月平均水温分布図(2015年7月)
日本近海の深さ100mの月平均水温分布図(2015年7月)

この図の水温は速報値です。海洋のデータバンクの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがありますので、最新の資料は、データバンクをご利用ください。 海氷で覆われているため海面水温のデータがない海域は、灰色の網掛けで示しています。

解説

沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流

2015年7月の沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流の実況は、表1のとおりでした。

表1:沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流の旬ごとの経過
海域・項目 上旬 中旬 下旬
沖縄本島から北西沖の黒潮までの距離(※1 170km付近 180km付近 180km付近
トカラ海峡の黒潮の通過緯度/向き(※1 北緯29.7度、東南東 北緯30.1度、東南東 北緯30.1度、東南東
都井岬での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸 離岸 離岸
足摺岬での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸 離岸 離岸(小蛇行)
室戸岬での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸 旬の前半は離岸、後半は接岸 旬の前半は接岸、後半は離岸
潮岬での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸 離岸 接岸
東海沖の黒潮流路の最南位置(※2 なし 北緯32.5度、東経137度 北緯32度、東経138.5度
伊豆諸島付近の黒潮通過位置(※1 八丈島の北 三宅島付近 三宅島付近
房総半島での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸 接岸 離岸
その他の顕著な現象 沖縄の南では、7月上旬に北緯23度、東経126度付近および北緯23.5度、東経129度付近、中旬に北緯22.5度、東経125.5度付近および北緯23.5度、東経129度付近、下旬に北緯22.5度、東経125度付近に暖水域がみられた
足摺岬の南では、7月下旬に北緯32度、東経133度付近に冷水渦がみられた

(※)が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。

 

日本の東と日本海の海流

2015年7月の日本の東と日本海の海流は、表2のとおりでした。

表2:日本の東と日本海の海流の旬ごとの経過
項目 上旬 中旬 下旬
親潮の沿岸寄りの分枝の南限位置(※3 北緯40.5度、東経143.5度付近(図中A) 北緯40.5度、東経143.5度付近(図中A) 北緯41度、東経143.5度付近
親潮の沖合の分枝の南限位置(※3 なし なし なし
その他の親潮系冷水の位置 北緯40.5度、東経142.5度付近 特にみられない 北緯40.5度、東経143.5度付近
親潮の面積(※4 平年よりかなり小さい 平年よりかなり小さい 平年よりかなり小さい
津軽暖流の東端の経度(※5 東経143度付近(平年並)(図中B) 東経143度付近(平年並)(図中B) 東経143度付近(平年並)(図中B)
日本の東の黒潮系暖水の北限緯度(※6 北緯36.5度付近(平年並)(経度は東経143.5度付近)(図中C) 北緯36.5度付近(平年並)(経度は東経143度付近) 北緯37度付近(平年並)(経度は東経143度付近)
その他の日本の東の海流 7月上旬は、北緯41.5度、東経146度付近に、7月中旬と下旬は北緯41.5度、東経146度付近および北緯39度、東経144度付近に暖水渦がみられた
日本海の海流 対馬暖流は、7月を通して山陰沖西部では北東に流れていた
東経134度付近からは、北緯38度、東経134度付近にある暖水域に沿って時計回りに流れ、東経136度付近からは東北東に流れていた
秋田沖からは北に流れて津軽沖に達していた
北緯36.5度、東経135度付近に冷水域があって、反時計回りの流れがみられた
朝鮮半島東岸では北向きの流れがみられた
対馬暖流の勢力(※7 平年より強い 平年より強い 平年より強い

(※)が付いている項目については、「海流の診断の見方」のページもあわせて参照ください。

 

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