日本近海の海流(月概況)

平成27年7月21日発表
気象庁地球環境・海洋部

診断(2015年6月)

  • 黒潮は、6月を通して沖縄の北西160〜170km付近を流れていました。都井岬と足摺岬では6月を通して離岸して流れていました。室戸岬では、6月上旬は接岸、中旬以降は離岸して流れていました。潮岬では、6月上旬と下旬は離岸、中旬は接岸して流れていました。
  • 東海沖の黒潮の最南位置は、6月上旬は北緯32.5度、東経139.5度付近、中旬は北緯32.5度、東経140.5度付近、下旬は北緯33度、東経138.5度付近となっていました。伊豆諸島付近では、6月上旬と中旬は八丈島の南を、下旬は八丈島付近を流れていました。
  • 親潮の南限位置は、6月上旬は北緯41度、東経143度付近、中旬は北緯40.5度、東経143.5度付近、下旬は北緯40.5度、東経143度付近でした。親潮の面積は、6月を通して平年よりかなり小さくなっていました。
  • 対馬暖流の勢力は、6月上旬は平年並、中旬以降は平年より強い状態となっていました。

日本近海の深さ100mの月平均水温分布図(2015年6月)
日本近海の深さ100mの月平均水温分布図(2015年6月)

この図の水温は速報値です。海洋のデータバンクの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがありますので、最新の資料は、データバンクをご利用ください。 海氷で覆われているため海面水温のデータがない海域は、灰色の網掛けで示しています。

解説

沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流

2015年6月の沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流の実況は、表1のとおりでした。

表1:沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流の旬ごとの経過
海域・項目 上旬 中旬 下旬
沖縄本島から北西沖の黒潮までの距離(※1 170km付近 160km付近 160km付近
トカラ海峡の黒潮の通過緯度/向き(※1 北緯29.6度、東 北緯29.4度、東南東 北緯30.2度、東南東
都井岬での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸 離岸 離岸
足摺岬での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸 離岸 離岸
室戸岬での黒潮の離岸・接岸(※1 接岸 離岸 離岸
潮岬での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸 接岸 離岸
東海沖の黒潮流路の最南位置(※2 北緯32.5度、東経139.5度 北緯32.5度、東経140.5度 北緯33度、東経138.5度
伊豆諸島付近の黒潮通過位置(※1 八丈島の南 八丈島の南 八丈島付近
房総半島での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸 離岸 離岸
その他の顕著な現象 沖縄の南では、6月上旬と中旬は北緯23.5度、東経126.5度付近、下旬は北緯23度、東経126.5度付近に暖水域がみられた
6月上旬に奄美群島の東の北緯28度、東経131.5度付近に暖水渦がみられた

(※)が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。

 

日本の東と日本海の海流

2015年6月の日本の東と日本海の海流は、表2のとおりでした。

表2:日本の東と日本海の海流の旬ごとの経過
項目 上旬 中旬 下旬
親潮の沿岸寄りの分枝の南限位置(※3 北緯41度、東経143度付近(図中A) 北緯40.5度、東経143.5度付近 北緯40.5度、東経143度付近
親潮の沖合の分枝の南限位置(※3 なし なし なし
その他の親潮系冷水の位置 北緯40.5度、東経144.5度付近、および北緯40度、東経143度付近 北緯41度、東経144.5度付近 北緯40.5度、東経144.5度付近
親潮の面積(※4 平年よりかなり小さい 平年よりかなり小さい 平年よりかなり小さい
津軽暖流の東端の経度(※5 東経142.5度付近(平年並)(図中B) 東経142度付近(平年より西) 東経142.5度付近(平年並)(図中B)
日本の東の黒潮系暖水の北限緯度(※6 北緯36.5度付近(平年並)(経度は東経143度付近)(図中C) 北緯36.5度付近(平年並)(経度は東経143度付近)(図中C) 北緯36.5度付近(平年並)(経度は東経143度付近)(図中C)
その他の日本の東の海流 6月上旬は、北緯40.5度、東経147度付近に、6月中旬は、北緯41度、東経146.5度付近に暖水域が、6月下旬は、北緯41.5度、東経146.5度付近に暖水渦がみられた
日本海の海流 対馬暖流は、6月を通して山陰沖西部で北東に流れていた
6月上旬は、隠岐の北から南東に流れ、中旬と下旬は東経134度付近から南東に流れていた
6月を通して、東経135度付近にある冷水域に沿って反時計回りに流れ、能登半島の北西側では、北緯38.5度付近まで張り出している暖水域に沿って時計回りに流れていた
6月上旬は、能登半島の北からは北東に流れて、津軽沖に達していた
6月中旬と下旬は、佐渡沖で北緯39度付近まで張り出している暖水域に沿って時計回りに流れ、佐渡の北からは北北東に流れて津軽沖に達していた
朝鮮半島東岸では北向きの流れがみられた
対馬暖流の勢力(※7 平年並 平年より強い 平年より強い

(※)が付いている項目については、「海流の診断の見方」のページもあわせて参照ください。

 

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