日射・赤外放射 基礎的な知識
このページでは、日射・赤外放射に関する基礎的な知識について掲載しています。
(1)日射と下向き赤外放射の観測
気象庁では、昭和6年(1931年)から日射観測を行ってきました。平成22年(2010年)3月31日から、全国5地点(札幌、つくば、福岡、石垣島、南鳥島)において、観測要素を拡充した高精度な日射・赤外放射の観測(直達日射、散乱日射、下向き赤外放射)を開始しました。これらの観測により、地表面に入射する全ての放射エネルギー(太陽放射エネルギーと大気(水蒸気・エーロゾル・雲などを含む)からの赤外放射エネルギー)を精密に把握することができます。

日射・赤外放射の観測の概要
直達日射
直達日射とは、太陽から地表面に直接入射するエネルギーです。直達日射からは大気の濁り具合に関する指標であるホイスナー・デュボアの混濁係数(大気混濁係数)を算出することができます。
散乱日射
散乱日射とは、太陽面方向を除く天空の全方向から大気や雲で散乱されて地表面に入射する日射です。大気中のエーロゾルや水蒸気等に関する情報が含まれています。
下向き赤外放射
下向き赤外放射とは、天空の全方向から地表面に入射する赤外放射(赤外線)です。下向き赤外放射は、大気中の雲・水蒸気・二酸化炭素等からその絶対温度の4乗に比例して放射されるので、地球温暖化の監視に利用できます。

日射と下向き赤外放射の観測の様子 |
直達日射は太陽方向から届く日射のみを直達日射計で観測します。 散乱日射は、写真の黒いボールで直達日射を遮り、太陽方向以外から届く日射のみを全天日射計で観測します。 下向き赤外放射も、高精度に観測するため、散乱日射と同様に直達日射を遮って赤外放射計で観測します。 |
(2)日射・赤外放射の観測地点
国内における日射放射観測網を下図に示します。これまでの直達日射観測の継続性と日本の気候区の代表性をあわせもち, さらに放射エネルギーを把握する上で重要な上空までの水蒸気量等を直接測定する高層気象観測を実施している5地点(札幌,つくば,福岡,石垣島,南鳥島) が選ばれました。

日射放射観測網(平成22年3月31日現在)
日射放射観測地点一覧
観測所名 Station name | 緯 度 Latitude | 経 度 Longitude | 標 高 Altitude | 国際地点番号 WMO station number |
---|---|---|---|---|
札 幌 Sapporo | 43°03.6' | 141°19.7' | 17.5 m | 47412 |
つくば Tsukuba | 36°03.5' | 140°07.6' | 25.2 m | 47646 |
福 岡 Fukuoka | 33°34.9' | 130°22.6' | 2.5 m | 47807 |
石垣島 Ishigakijima | 24°20.2' | 124°09.9' | 5.7 m | 47918 |
南鳥島 Minamitorishima | 24°17.3' | 153°59.0' | 7.1 m | 47991 |
関連情報
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