日本の季節の天候 ------------------ 対象期間:
令和5年9月15日作成
地域平均気温平年偏差の5日移動平均時系列図
2023年夏の天候の特徴をまとめると、
*夏の平均気温は北・東・西日本でかなり高かった
北日本を中心に暖かい空気に覆われやすく、南から暖かい空気が流れ込みやすかったため、夏の平均気温は北・東・西日本でかなり高かった。1946年の統計開始以降、夏として北日本と東日本で1位、西日本で1位タイの高温となった。
*夏の降水量は東・西日本太平洋側と沖縄・奄美で多かった一方、北日本太平洋側で少なかった
梅雨前線や台風第6号、第7号などの影響を受けたため、夏の降水量は東・西日本太平洋側と沖縄・奄美で多かった。一方、高気圧に覆われやすく晴れた日が多かった北日本太平洋側で少なかった。
*夏の日照時間は北・東日本日本海側と北・東日本太平洋側でかなり多かった一方、沖縄・奄美で少なかった
高気圧に覆われやすく晴れた日が多かったため、夏の日照時間は北・東日本日本海側と北・東日本太平洋側でかなり多かった。一方、8月上旬に台風第6号の影響を受けた沖縄・奄美で少なかった。
北日本を中心に暖かい空気に覆われやすく、また南から暖かい空気が流れ込みやすかったため、夏の平均気温は北・東・西日本でかなり高かった。夏の平均気温平年差は北日本で+3.0℃、東日本で+1.7℃、西日本で+0.9℃となり、1946年の統計開始以降、北日本と東日本で1位、西日本で1位タイの高温となった。北日本の記録的な高温には、周辺海域での海水温の顕著な高温も影響した。北・東日本では高気圧に覆われやすく晴れた日が多かったため、夏の日照時間は北・東日本日本海側と北・東日本太平洋側でかなり多かった。また、夏の降水量は北日本太平洋側で少なかった。一方、梅雨前線や台風第6号、第7号などの影響を受けたため、夏の降水量は東・西日本太平洋側と沖縄・奄美で多く、夏の日照時間は沖縄・奄美で少なかった。
平均気温:北・東・西日本でかなり高かった。沖縄・奄美では平年並だった。
降水量:東・西日本太平洋側と沖縄・奄美で多かった。一方、北日本太平洋側で少なかった。北・東・西日本日本海側では平年並だった。
日照時間:北・東日本日本海側と北・東日本太平洋側でかなり多かった。一方、沖縄・奄美で少なかった。西日本日本海側と西日本太平洋側では平年並だった。
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3か月平均気温平年偏差、3か月降水量平年比、3か月間日照時間平年比の分布図 |
地域平均旬降水量平年比、旬間日照時間平年比の経過図 |
6月:北日本では、上旬は数日の周期で天気が変化したが、中旬後半以降は高気圧に覆われやすく、この時期としては晴れた日が多かったため、月間日照時間は北日本太平洋側で多かった。上旬に低気圧の影響でまとまった雨の降った日があったため、月降水量は北日本日本海側と北日本太平洋側で多かった。東・西日本では、前線に向かって台風第2号から暖かく湿った空気が流れ込んだ影響により、太平洋側で線状降水帯が発生して2日から3日にかけて記録的な大雨となった所もあったため、月降水量は東日本日本海側と東日本太平洋側でかなり多く、西日本太平洋側で多かった。沖縄・奄美では、梅雨前線や南からの湿った空気の影響で曇りや雨の日が多かったが、下旬の後半は高気圧に覆われて晴れた日が多かった。気温は、上旬は暖かい空気が流れ込みやすく、中旬後半からは暖かい空気に覆われやすかったため、月平均気温は北・東日本でかなり高く、西日本で高かった。北日本では、月平均気温平年差が+2.2℃で、1946年の統計開始以降、6月として1位の高温となった。
7月:北・東・西日本では、上旬から中旬にかけて、本州付近に梅雨前線が停滞し、前線や低気圧の影響で、天気は日本海側を中心に曇りや雨の日が多かった。前線や低気圧の影響を受け、上旬には西日本や奄美地方で、中旬には東日本で、線状降水帯が発生して記録的な大雨となった所や、中旬には北日本でも記録的な大雨となった所があり、10日には福岡県と大分県に大雨特別警報が発表されるなど、各地で河川の氾濫や低地の浸水、土砂災害が発生した。下旬は東・西日本を中心に太平洋高気圧に覆われ、晴れた所が多かった。沖縄・奄美では、期間を通して太平洋高気圧に覆われやすく、晴れた日が多かったが、期間の終わりは台風第5号や台風第6号の影響で曇りや雨の日が多かった。月降水量は、低気圧や前線の影響を受けにくかった北・東・西日本太平洋側で少なかった。月間日照時間は、低気圧や前線の影響が少なく晴れの日が多かった北・東日本太平洋側と東日本日本海側でかなり多く、北日本日本海側と西日本太平洋側で多かった。月平均気温は、北日本を中心に暖かい空気に覆われやすかったことや、東・西日本と沖縄・奄美を中心に太平洋高気圧に覆われ晴れた日が多かったため、北・東日本でかなり高く、西日本と沖縄・奄美で高かった。月平均気温平年差は、北日本では+2.8℃で、1946年の統計開始以降で7月として1位の高温となった。
8月:北日本を中心に暖かい空気に覆われやすく、また台風第6号や第7号の影響で南から暖かい空気が流れ込みやすく、日本海側ではフェーン現象も発生したため、月平均気温は北・東・西日本でかなり高かった。北日本の月平均気温平年差は+3.9℃、東日本の月平均気温平年差は+2.1℃となり、1946年の統計開始以降、ともに8月として1位の高温となった。北・東日本を中心に高気圧に覆われて晴れた日が多かったため、月間日照時間は北・東日本日本海側と北日本太平洋側でかなり多く、東日本太平洋側で多かった。また、月降水量は東日本日本海側でかなり少なく、北日本日本海側と北日本太平洋側で少なかった。一方、東・西日本太平洋側では、台風第6号や第7号の影響で大雨となった所もあったため、月降水量が多かった。また、西日本太平洋側の月間日照時間は少なかった。沖縄・奄美では、動きの遅かった台風第6号の影響を受けて曇りや雨の日が多かったため、月降水量はかなり多く、月間日照時間は少なかった。
- 月平均500hPa高度・偏差分布図
- 月平均海面更正気圧・偏差分布図
- 月平均850hPa気温・偏差分布図
- 月平均外向き長波放射量(OLR)偏差分布図
※ 日本の天候のまとめに掲載している外向き長波放射量(OLR)偏差分布図は、2023年9月以降は米国海洋大気庁(NOAA)気候予測センター(CPC)提供のBlended OLRを、2023年8月までは同センター提供のAVHRR OLRを用いて作成したものです。
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