日本の季節の天候 ------------------ 対象期間:

概況 | 各月の経過

概況

地域平均気温経過図

地域平均気温平年偏差の5日移動平均時系列図


2019年夏の天候の特徴をまとめると、

*西日本を中心にたびたび大雨となり、東日本太平洋側と西日本は、降水量が多く、日照時間は少なかった
 梅雨前線の北上が平年より遅かったため、梅雨明けは平年より遅れた地方が多かった。また、8月後半は低気圧や前線の影響を受けやすかった。西日本を中心にたびたび大雨となり、西日本太平洋側の夏の降水量はかなり多く、東日本太平洋側と西日本日本海側の降水量は多かった。また、東日本太平洋側と西日本の夏の日照時間は少なかった。
*北・東日本と沖縄・奄美は、気温が高かった
 暖かい空気に覆われる時期が多かった北日本および沖縄・奄美と、7月末から8月前半にかけて太平洋高気圧に覆われて晴れて厳しい暑さが続いた東日本では、夏の気温は高かった。
*沖縄・奄美は、降水量がかなり多く、日照時間はかなり少なかった
 梅雨前線や台風および湿った空気の影響を受けやすかったため、沖縄・奄美の夏の降水量はかなり多く、夏の日照時間はかなり少なかった。

 6月は、太平洋高気圧の北への張り出しが弱く、日本付近で偏西風が南に蛇行したため、梅雨前線は日本の南海上に停滞しやすかった。このため、沖縄・奄美では前線や湿った空気の影響を受けやすく、日照時間はかなり少なかった一方、前線の影響を受けにくかった東・西日本の日照時間は多かった。北日本は、気圧の谷がたびたび通過したため、天気は数日の周期で変わった。
 7月は、梅雨前線が本州南岸に停滞する日が多く、北日本から西日本にかけては前線や湿った空気の影響を受けやすく曇りや雨の日が多かった。特に6月末から7月はじめは、梅雨前線の活動が活発になった影響で、九州南部を中心に大雨となった。また、下旬前半にかけて太平洋高気圧の本州付近への張り出しが弱かったため、梅雨明けは平年より遅れた地方が多かった。一方、沖縄・奄美は台風や湿った空気の影響でこの時期としては晴れの日が少なかった。
 8月は、北日本から西日本にかけては、前半を中心に太平洋高気圧に覆われて晴れて厳しい暑さの日が続いた。その後は台風や湿った空気の影響で曇りや雨の日が多く、下旬は前線の影響で曇りや雨の日が多かった。特に28日は、対馬海峡付近の前線に向かって暖かく湿った空気が流れ込んだため、九州北部地方では記録的な大雨となり、佐賀県、福岡県、長崎県に大雨特別警報が発表された。沖縄・奄美では、上旬と中旬は台風や湿った空気の影響を受けやすかったが、下旬は高気圧に概ね覆われて晴れた日が多かった。
 夏の平均気温は、暖かい空気に覆われる時期が多かった北日本と沖縄・奄美と、7月末から8月前半にかけて晴れて厳しい暑さとなった東日本では高かった。西日本は、夏の平均気温は平年並だったが、7月の気温は前線が南岸に停滞して冷たい空気の影響を受けやすかったことや、梅雨明けが遅れた影響で低かった。一方、8月は、上旬は高気圧に覆われて晴れて気温がかなり高くなったが、下旬は低気圧や前線の影響で不順な天候となり、気温はかなり低くなるなど気温の変動が大きかった。


平均気温:北・東日本と沖縄・奄美で高く、西日本では平年並だった。
降水量:西日本太平洋側と沖縄・奄美でかなり多く、東日本太平洋側と西日本日本海側では多かった。北日本と東日本日本海側では平年並だった。
日照時間:沖縄・奄美でかなり少なく、東日本太平洋側と西日本では少なかった。北日本と東日本日本海側では平年並だった。


季節TRS分布図 旬別RS経過図
3か月平均気温平年偏差、3か月降水量平年比、3か月間日照時間平年比の分布図 地域平均旬降水量平年比、旬間日照時間平年比の経過図

各月の経過


6月: 太平洋高気圧の北への張り出しが弱く、日本付近で偏西風が南に蛇行したため、梅雨前線は日本の南海上に停滞しやすかった。このため、前線や湿った空気の影響を受けやすかった沖縄・奄美では曇りや雨の日が多くなり、降水量はかなり多く、日照時間はかなり少なかった。一方、本州付近は気圧の谷がたびたび通過したため、北・東・西日本の天気は周期的に変化したが、梅雨前線の影響を受けにくかったため、東・西日本の日照時間は多かった。西日本では前線や低気圧の影響を受けにくかったため降水量は少なかったが、北日本太平洋側と東日本では低気圧が通過した際に南から湿った空気も流れ込んでまとまった雨となった所があったため、降水量は多かった。27日から28日にかけては台風第3号が本州南岸を通過し、その後は梅雨前線の活動が活発となって東日本日本海側や西日本太平洋側を中心に大雨となった所があった。


7月: 月のはじめから下旬前半までは梅雨前線やオホーツク海高気圧からの冷たく湿った気流の影響で、曇りや雨の日が多かったため、北・東日本日本海側を除いて全国的に日照時間が少なく、西日本太平洋側ではかなり少なかった。また、梅雨前線が本州の南岸付近に停滞することが多かったことや、18日から20日にかけて東シナ海を北上した台風第5号、27日に三重県に上陸した台風第6号の影響で、東・西日本太平洋側の降水量はかなり多かった。なお、20日は長崎県の五島と対馬市で記録的な大雨となり大雨特別警報が発表された。一方、北日本と東日本日本海側では、低気圧や梅雨前線の影響を受けにくかったため、降水量は少なかった。気温は、月のはじめから下旬前半までは曇りや雨の日が多かったことから、東日本では2007年以来12年ぶり、西日本では2015年以来4年ぶりに月平均気温が低くなった。月の終わり頃は太平洋高気圧が強まり、全国的に晴れて気温が上がったため、多くの地点で真夏日となり、猛暑日となった所もあった。


8月: 北日本から西日本にかけては、月の前半は高気圧に覆われて晴れた日が多かったが、6日頃と14日から16日にかけては台風の影響で西日本太平洋側を中心に広い範囲で曇りや雨となった。月の後半は、東日本を中心に高気圧に覆われて晴れた日もあったが、低気圧や前線の影響でこの時期としては曇りや雨の日が多かった。28日には、対馬海峡付近の前線に向かって暖かく湿った空気が流れ込んだため、九州北部地方では記録的な大雨となり、佐賀県、福岡県、長崎県に大雨特別警報が発表された。沖縄・奄美では、上旬と中旬は台風や湿った空気の影響を受けた日が多く、晴れた日は少なかったが、下旬は高気圧に覆われて晴れた日が多かった。気温は、月の前半を中心に晴れて厳しい暑さの日が多かった東日本ではかなり高く、暖かい空気に覆われやすかった沖縄・奄美では高かった。

 沖縄・奄美では、前線や湿った空気の影響を受けやすく、平年と同様に曇りや雨の日が多かった。気温は、月平均では平年並だったが、上旬は前線の北側の冷たい空気の影響で平年を下回る日が多く、中旬は暖かく湿った空気が入りやすかったため平年を上回った。

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