日本の天候に影響を及ぼすメカニズム

 このページの解説文や図は、季節予報技術資料第2巻(令和6年度)の第1章の内容をさらに検討したものです。

エルニーニョ現象が日本の夏の天候に影響を及ぼすメカニズム

 エルニーニョ現象が発生すると、平年と比べて、海面水温は中・東部太平洋赤道域で高く、西太平洋熱帯域で低くなり、インド~フィリピン周辺での積雲対流活動が不活発となる傾向があります。これに伴って、平年と比べて、ユーラシア大陸~日本付近の上空を流れる亜熱帯ジェット気流は南寄りを流れ、太平洋高気圧は南西方向に強く張り出す一方、本州への張り出しが弱まり、日本周辺には湿った気流が入りやすい傾向があります。
 このような偏った大気の流れの影響で、気温は西日本で低く、北・東日本で平年並か低くなり、夏の後半は北・東・西日本で低くなる傾向があります。降水量は西日本日本海側で多くなる傾向があります。日照時間は北日本日本海側で少なく、東日本日本海側で平年並か少なくなる傾向があります。⇒エルニーニョ現象発生時の夏(6~8月)の天候の特徴


図1 エルニーニョ現象が日本の夏の天候に影響を及ぼすメカニズム
図1 エルニーニョ現象が日本の夏の天候に影響を及ぼすメカニズム

ラニーニャ現象が日本の夏の天候に影響を及ぼすメカニズム

 ラニーニャ現象が発生すると、平年と比べて、海面水温は中・東部太平洋赤道域で低く、西太平洋熱帯域で高くなり、インド~フィリピン周辺での積雲対流活動が活発となる傾向があります。これに伴って、平年と比べて、ユーラシア大陸~日本付近の上空を流れる亜熱帯ジェット気流は北寄りを流れ、太平洋高気圧の本州方面へ強く張り出す一方、沖縄・奄美周辺には湿った気流が入りやすい傾向があります。
 このような偏った大気の流れの影響で、気温は北日本で高く、夏の後半は北日本で高く、東・西日本で平年並か高くなる傾向があります。降水量は夏の後半に沖縄・奄美で多くなる傾向があります。日照時間は北日本太平洋側で多くなる傾向があります。⇒ラニーニャ現象発生時の夏(6~8月)の天候の特徴


図2 ラニーニャ現象が日本の夏の天候に影響を及ぼすメカニズム
図2 ラニーニャ現象が日本の夏の天候に影響を及ぼすメカニズム

エルニーニョ現象が日本の冬の天候に影響を及ぼすメカニズム

 エルニーニョ現象が発生すると、平年と比べて、海面水温は中・東部太平洋赤道域で高く、西太平洋熱帯域で低くなり、フィリピン周辺での積雲対流活動が不活発となる傾向があります。これに伴って、平年と比べて、上空を流れる亜熱帯ジェット気流は中国周辺で南へ、日本周辺で弱まる傾向があります。また、寒帯前線ジェット気流が日本の北を流れる傾向があります。このような上空の大気の流れやフィリピン周辺での不活発な積雲対流活動に伴って、アリューシャン低気圧は北東側に偏って季節風が弱まり、沖縄・奄美~本州周辺では低気圧の影響を受けやすくなる傾向があります。
 このような偏った大気の流れの影響で、気温は西日本で平年並か高く、冬の前半は北日本と沖縄・奄美で高くなる傾向があります。降水量は東日本太平洋側、沖縄・奄美で多い傾向があります。日照時間は西日本太平洋側で少なく、東日本太平洋側で平年並か少ない傾向があります。⇒エルニーニョ現象発生時の冬(12~2月)の天候の特徴


図3 エルニーニョ現象が日本の冬の天候に影響を及ぼすメカニズム
図3 エルニーニョ現象が日本の冬の天候に影響を及ぼすメカニズム

ラニーニャ現象が日本の冬の天候に影響を及ぼすメカニズム

 ラニーニャ現象が発生すると、平年と比べて、海面水温は中・東部太平洋赤道域で低く、西太平洋熱帯域で高くなり、フィリピン周辺での積雲対流活動が活発となる傾向があります。これに伴って、平年と比べて、上空を流れる亜熱帯ジェット気流は中国周辺で北へ、日本周辺で南へ蛇行する傾向があります。また、寒帯前線ジェット気流が日本付近を流れる傾向があります。このような上空の大気の流れに伴って、シベリア高気圧の張り出しが強まり、アリューシャン低気圧は南西側に偏って季節風が強まる傾向があります。
 このような偏った大気の流れの影響で、気温は冬の前半は東・西日本で平年並か低い傾向があります。降水量は冬の前半には北日本日本海側で多く、東日本太平洋側や西日本で少なくなる傾向があります。日照時間は冬の前半は西日本で多く、沖縄・奄美では平年並か少なくなる傾向があります。⇒ラニーニャ現象発生時の冬(12~2月)の天候の特徴


図4 ラニーニャ現象が日本の冬の天候に影響を及ぼすメカニズム
図4 ラニーニャ現象が日本の冬の天候に影響を及ぼすメカニズム

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