平成21年8月11日の駿河湾の地震で発表した津波注意報について

地震の概要

平成21年(2009年)8月11日05時07分、駿河湾の深さ23kmでM6.5(暫定値)の地震が発生した。この地震は、フィリピン海プレートの内部で発生した地震で、発震機構(気象庁CMT解)は横ずれ成分を持つ逆断層型(圧力軸は北北東-南南西方向)であった。(地震の詳細は、平成21年8月地震・火山月報(防災編)を参照)

震源要素
震源時刻(日本時間) 震央地名 緯度 経度 深さ Mw
2009年8月11日 05時07分 駿河湾 北緯34度47.1分 東経138度29.9分 23km 6.5 6.3

駿河湾周辺の震央分布図(1997年10月1日~2009年8月31日、深さ0~90km、M1.0以上)
今回の地震の震央位置と駿河湾周辺の震央分布図
1997年10月1日~2009年8月31日の期間に発生した、深さ0~90km、M1.0以上の地震の震央分布。2009年8月11日以降に発生した地震の震央を濃く表示。

発表した津波注意報の概要

この地震に対して発表した津波注意報は、以下のとおりである。

発表時刻 概要 発表予報区
8月11日 05時10分 静岡県と伊豆諸島に津波注意報発表 津波注意報:静岡県、伊豆諸島
津波注意報発表予報区(地図、png形式)
07時13分 全ての津波注意報解除 全ての予報区

津波の観測

各予報区における予想した津波の高さと、観測した津波の高さ
津波予報区 予報(津波の高さ) 予報区内で観測した津波の高さの最大
静岡県 津波注意報(0.5m) 36cm
伊豆諸島 津波注意報(0.5m) 10cm
愛知県外海 若干の海面変動 16cm
三重県南部 若干の海面変動 7cm
黄は「津波注意報」のグレードであることを示す。
観測した津波の高さは速報値であり、後日変更される場合がある。

詳細は、下記資料をご覧下さい。

主な検潮所の潮位記録
主な検潮所で観測した津波の波形
港)は国土交通省港湾局、海)は海上保安庁、国)は国土地理院の検潮所である。

津波予測の評価

観測された津波の高さは津波注意報で予想された高さ程度であった。しかし、地殻変動もしくは地震波形から計算された断層モデルを用いて津波の波形を計算すると観測波形とシミュレーション波形が合わない。 例えば、国土地理院の断層モデルを用いて検潮所での津波波形をシミュレーションすると 下図のようになり、波形が合っていないことがわかる。 観測波形とシミュレーション波形
観測波形とシミュレーション波形の比較

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