地震防災対策強化地域判定会会長会見(定例)
気象庁では、いつ発生してもおかしくない状態にある「東海地震」を予知すべく、東海地域の地震活動や地殻変動等の状況を監視しています。また、これらの状況を定期的に評価するため、地震防災対策強化地域判定会委員打合せ会を毎月開催しています。本資料は本日開催した打合せ会における委員の意見提供等を受けて、現在の状況を取りまとめたものです。
報道発表日
平成21年10月26日
概要
現在のところ、東海地震に直ちに結びつくような変化は観測されていません。
本文
第282回地震防災対策強化地域判定会委員打合せ会記者説明コメント
最近の東海地域とその周辺の地震・地殻活動
現在のところ、東海地震に直ちに結びつくような変化は観測されていません。
1.地震活動の状況
駿河湾で8月11日に発生したマグニチュード(M)6.5の地震にともなう余震は減少しています。
静岡県中西部の地殻内では、全体的にみて、2005年中頃からやや活発な状態が続いています。
浜名湖周辺のフィリピン海プレート内では、引き続き地震の発生頻度の少ない状態が続いています。
その他の領域では概ね平常レベルです。
なお、愛知県のプレート境界付近で、9月30日から10月7日にかけて、深部低周波地震が観測されました。この付近では、本年2月、5月中旬~6月はじめ、及び8月末から9月はじめにかけて、まとまった活動の深部低周波地震が観測されています。
2.地殻変動の状況
全般的に注目すべき特別な変化は観測されていません。
GPS観測及び水準測量の結果では、御前崎の長期的な沈降傾向はこれまでと同様に継続しています。
なお、上記、深部低周波地震活動と同期して、プレート境界付近における「短期的ゆっくり滑り」に起因すると見られる地殻変動が9月30日から10月3日にかけて、周辺の歪計で観測されました。「短期的ゆっくり滑り」に起因する地殻変動は、本年2月、5月下旬~6月はじめ、及び8月末から9月はじめに観測されています。
問い合わせ先
地震火山部 地震予知情報課
電話:03-3212-8341 (内線)4576
関連資料
- 1.記者説明コメント及び添付資料[PDF形式:2.0MB]
- 2.気象庁資料[PDF形式:3.4MB]
- 3.国土地理院資料[PDF形式:723KB]
[地震防災対策強化地域判定会委員打合せ会では、気象庁のほか国土地理院、独立行政法人防災科学技術研究所、独立行政法人産業技術総合研究所の資料を用いて議論が行われています。また、気象庁の地震活動資料には、防災科学技術研究所や大学等関係機関のデータも使われています。]