全天日射量と下向き赤外放射量の経年変化

令和5年7月6日更新(年1回更新)

診断

全天日射量の経年変化

世界の多くの地域における全天日射量は、1960年頃から1980年代後半まで減少し、1980年代後半から2000年頃まで急速に増加し、 その後は大きな変化が見られないという傾向が報告されています(Ohmura A., 2009)。 日本における変化傾向(国内5地点平均)によると、1970年代後半から1990 年頃にかけて減少し、 1990年頃から2000年代初めにかけて増加し、その後は大きな変化は見られません。 これは、前述の世界的な傾向とほぼ整合しています。

全天日射量の経年変化

全天日射量の経年変化

国内5地点(網走、つくば、福岡、石垣島、南鳥島)で平均した全天日射量の年平均値(黒線)及び5年移動平均値(赤線)。
年平均値は、日合計値の観測日数が20日以上である月の月平均値の平均を示します。2010年3月(網走は2021年2月、つくばは1987年12月)以前は 全天日射計による全天日射量を使用し、2010年4月(網走は2021年3月、つくばは1988年1月)以後は直達日射計と散乱日射計から算出した全天日射量を使用しています。


下向き赤外放射量の経年変化

日本における下向き赤外放射量については、1990年代初めからつくばにおいて研究観測が行われています。 この観測データを用いて長期変化傾向を解析すると、1993~2022年の期間に 1年当たり約0.3W/m2の割合で増加しています。 これは、全世界の基準地上放射観測網(BSRN)20観測地点の解析結果 (1992~2009年において、年0.3W/m2の割合で増加)と整合しています(WCRP,2010)。

下向き赤外放射量の経年変化

下向き赤外放射量の経年変化

つくばにおける下向き赤外放射量の年平均値(黒線)及び5年移動平均値(赤線)。



参考文献


関連情報


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