南海トラフ地震に関連する情報
発表履歴
気象庁地震火山部
本日(2月26日)開催した第4回南海トラフ沿いの地震に関する評価検討会、第382回地震防災対策強化地域判定会で評価した、南海トラフ周辺の地殻活動の調査結果は以下のとおりです。
現在のところ、南海トラフ沿いの大規模地震の発生の可能性が平常時と比べて相対的に高まったと考えられる特段の変化は観測されていません。
1.地震の観測状況
2月19日に豊後水道の深さ約40kmを震源とするM5.0の地震がほぼ同時刻に2回発生しました。最初の地震は北西・南東方向に張力軸を持つ正断層型で、いずれもフィリピン海プレート内で発生した地震です。
主な深部低周波地震(微動)として、2月11日から15日にかけて奈良県を中心とした紀伊半島南部、また、2月21日から愛媛県のプレート境界付近を震源とする深部低周波地震(微動)を観測しています。
2.地殻変動の観測状況
2月11日から14日にかけて和歌山県及び三重県、2月21日から愛媛県及び高知県の複数のひずみ観測点でわずかな地殻変動を観測しています。
GNSS観測等によると、御前崎、潮岬及び室戸岬のそれぞれの周辺では長期的な沈降傾向が継続しています。
3.地殻活動の評価
上記の深部低周波地震(微動)及びひずみ観測点で観測した地殻変動は、想定震源域のプレート境界深部において発生した「短期的ゆっくりすべり」に起因すると推定しています。
上記観測結果を総合的に判断すると、南海トラフ地震の想定震源域ではプレート境界の固着状況に特段の変化を示すようなデータは今のところ得られておらず、南海トラフ沿いの大規模地震の発生の可能性が平常時と比べて相対的に高まったと考えられる特段の変化は観測されていないと考えられます。
** (参考) 南海トラフ地震に関連する情報の種類 **
【南海トラフ地震に関連する情報(臨時)】
以下のいずれかに該当する場合に発表。
○ 南海トラフ沿いで異常な現象が観測され、その現象が南海トラフ沿いの大規模な地震と関連するかどうか調査を開始した場合、または調査を継続している場合。
○ 観測された現象を調査した結果、南海トラフ沿いの大規模な地震発生の可能性が平常時と比べて相対的に高まったと評価された場合。
○ 南海トラフ沿いの大規模な地震発生の可能性が相対的に高まった状態ではなくなったと評価された場合。
【南海トラフ地震に関連する情報(定例)】
南海トラフ沿いの地震に関する評価検討会の定例会合において評価した調査結果を発表。