世界の異常気象速報(臨時)
世界の異常気象や気象災害のうち、顕著な事例について、その状況等を速報としてまとめた情報です。
過去に発表した情報は、以下のページからご覧になれます。
ヨーロッパ南部を中心とした顕著な高温について | ||
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発表日 | 令和3年8月17日 | |
概要 |
ヨーロッパ南部を中心とした地中海周辺地域では、7月下旬から顕著な高温が続いています。
イタリア南部シチリア島のカターニアでは、8月11日に最高気温44.4℃を観測しました。
同日には同じくシチリア島のシラクサでは最高気温48.8℃を記録したと報じられました(シチリア州地方当局)。
今後、世界気象機関(WMO)の専門家による精査が行われますが、1977年7月10日にギリシャ・アテネで観測されたヨーロッパ大陸における最高気温の記録(48.0℃)を更新する可能性があります。
スペイン南部のコルドバでは、8月14日に最高気温46.9℃を観測しました。 また、ギリシャ、トルコ及びその周辺国では7月下旬から8月上旬にかけて顕著な高温が続き、トルコ南部のアンタリヤでは8月3日に最高気温44.8℃を観測しました。 これらの地域では大規模な山火事が発生しています。さらにアルジェリア北部でも高温となり、山火事による被害が発生しています。 これらの一連の顕著な高温は、主として、背の高い高気圧に覆われたことによる下降気流と日射で気温が上昇したことが寄与していたと考えられます。 これらに加えて、その背景には地球温暖化に伴う全球的な気温の上昇傾向も影響したと考えられます。 |
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気象実況 (分布図) |
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気温が平年よりも高い状態が続いた2021年7月28日~8月16日における20日間で平均した日最高気温(単位℃)
各国気象局の通報に基づき、気象庁で作成。 最高気温が、イタリア南部シチリア島のカターニアでは8月11日に44.4℃、スペイン南部のコルドバでは8月14日に46.9℃、 トルコ南部のアンタリヤでは8月3日に44.8℃を観測するなど、ヨーロッパ南部を中心として記録的な高温となりました。 |
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2021年7月28日~8月15日における19日間で平均した上空約1500mの気温の平年偏差(陰影)と上空約5800mの気圧配置(等値線)
北アフリカに中心を持つ背の高い高気圧が北東方向に張り出し、その下のヨーロッパ南部を中心とした地中海周辺地域では顕著な高温となりました。 平年値は1991~2020年の平均値。 またスペインではアフリカからの暖気の移流により、8月中旬以降、顕著な高温となりました。 |
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気象実況 (時系列図) |
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見通し |
ヨーロッパ各国気象局発表の情報によれば、8月17日~18日にかけて、イタリア、セルビア、ギリシャなどヨーロッパ南部で高温が見込まれています。 (参考)ヨーロッパ各国気象局発表の情報は、以下のヨーロッパ各国の気象機関の協力体であるEUMETNETのMeteoalarmのページにまとめられています。 | |
※各観測地点における毎日の気温・降水量については、気象庁ホームページ「世界の天候データツール(ClimatView 日別値)」でご覧頂けます。 https://www.data.jma.go.jp/cpd/monitor/dailyview/ |