主な天候の特徴・気象災害

概況
年平均気温は、世界の陸上の広い範囲で平年より高く、シベリア、東アジア北東部から南部、東南アジア、南アジア南部、中央アジア、中東、ヨーロッパ中部から南部、東アフリカ東部から南部アフリカ、アラスカ、北米南部から中米、南米北部から東部、オーストラリアなどでは平年よりかなり高かった。北米中部では平年よりかなり低かった。異常高温は、モーリシャスから南アフリカでは通年で発生した他、東アジア南部から東南アジア中部、インド南部からスリランカ、ヨーロッパ南部及びその周辺、米国東部から南米北西部、ブラジル及びその周辺、オーストラリアでは頻繁に(7か月以上)発生した。また、ヨーロッパ北部から中部では、6月から7月にかけて熱波が発生し、フランスやドイツなど最高気温の国内観測記録を更新した国もあった。
年降水量は、南アジア、中東北部から北アフリカ北部、アラスカ、米国、南米北西部などでは平年より多く、東南アジア南東部、北アフリカ西部、南米南西部、オーストラリア東部から中部などで平年より少なかった。米国本土の2019年の年降水量は、1895年以降で2番目に多く(米国海洋大気庁)、オーストラリアの2019年の年降水量は、1900年以降で最も少なかった(オーストラリア気象局)。スペイン及びその周辺、米国中西部から南東部、アルゼンチン北東部及びその周辺では異常多雨となる月が多く、マレー半島中部からジャワ島、ヨーロッパ東部から中部、カナダ南西部では異常少雨となる月が多かった。
2019年に発生した主な異常気象・気象災害は以下のとおり。気象災害の記述は米国国際開発庁海外災害援助局とルーベンカトリック大学災害疫学研究所(ベルギー)の災害データベース(EM-DAT)や各国の政府機関・国連の発表等に基づき、人的被害や経済的損失の大きさ、地理的広がりを考慮して取り上げている。
異常気象の種類 | 地域 | 概況 | |
---|---|---|---|
1 | 台風(9〜10月) | 北日本太平洋側〜東日本太平洋側 |
|
2 | 高温(1、3、5、9〜10月) | 東アジア北東部及びその周辺 |
|
3 | 高温(2〜3、6〜8月) | 中央シベリア北部〜中部 |
|
4 | 大雨・台風(6〜8月) | 中国東部〜タイ北部 |
|
5 | 高温(1〜2、4〜11月) | 東アジア南部〜東南アジア中部 |
|
6 | 少雨(6〜7、9〜11月) | マレー半島中部〜ジャワ島 |
|
7 | 大雨(3月) | インドネシア東部 |
|
8 | 大雨(7〜10月) | 南アジア及びその周辺 |
|
9 | 高温(2〜7、11〜12月) | インド南部〜スリランカ |
|
10 | 大雨(3〜4月) | 中東北部〜インド |
|
11 | 高温(1、5〜6、9〜10月) | アラビア半島 |
|
12 | 高温(6〜12月) | ヨーロッパ南部及びその周辺 |
|
13 | 少雨(2、4、6〜8月) | ヨーロッパ東部〜中部 |
|
14 | 熱波(6〜7月) | ヨーロッパ北部〜中部 |
|
15 | 多雨(4、8〜9、11月) | スペイン及びその周辺 |
|
16 | 高温(7〜9、11〜12月) | 西アフリカ西部〜中部アフリカ西部 |
|
17 | 大雨(10〜12月) | 東アフリカ北部〜西部 |
|
18 | 高温(1〜12月) | モーリシャス〜南アフリカ |
|
19 | サイクロン(3〜4月) | 東アフリカ南部 |
|
20 | 高温(2〜3、6〜7、9月) | アラスカ及びその周辺 |
|
21 | 少雨(3、5、11月) | カナダ南西部 |
|
22 | 多雨(2、4〜5、9〜10月) | 米国中西部〜南東部 |
|
23 | ハリケーン(9月) | 米国東部〜バハマ |
|
24 | 高温(2、5〜12月) | 米国東部〜南米北西部 |
|
25 | 高温(1〜2、5〜6、8〜12月) | ブラジル及びその周辺 |
|
26 | 多雨(1、3、6月) | アルゼンチン北東部及びその周辺 |
|
27 | 高温(1、3、7、9〜12月) | オーストラリア |
|
各種図表

年平均気温偏差規格化階級分布図

年降水量平年比階級分布図

異常高温・異常低温出現頻度分布図

異常多雨・異常少雨出現頻度分布図