世界の年ごとの異常気象 ------------------ 対象期間:

この資料は1971~2000年の観測値による平年値に基づいて作成されたものです。

主な天候の特徴・気象災害

天候の特徴気象災害

概況

 年平均気温は、西シベリア~中央シベリア、ヨーロッパ、オーストラリアなどを除き、多くの地域で平年より高くなった。北緯30度~南緯30度の低緯度域、ロシア西部及びその周辺、北米東部及びその周辺で異常高温となる月が多かったが、ヨーロッパでは1~2月、11~12月に、米国南東部及びその周辺では2~3月、12月に、それぞれ異常低温となった。年降水量は、インドネシア、パキスタン及びその周辺、ヨーロッパ東部、アフリカ西部、米国北西部、カリブ海周辺、オーストラリアなどで平年より多く、南米南西部などで平年より少なかった。中国北東部、インドネシア南部及びその周辺、カリブ海周辺は異常多雨となる月が多く、南米南西部は異常少雨となる月が多かった。2010年に発生した主な異常気象・気象災害は以下のとおり。気象災害の記述は国連の災害データベース(EM-DAT)や国連の報道機関(IRIN)、各国の政府機関の発表等に基づいている。

異常気象の種類地域概況
1低温(1~2月、12月)西シベリア及びその周辺
  • 西シベリア及びその周辺では、1月から2月にかけてと12月に、異常低温となった。
  • ロシア中南部のオムスク:1月の月平均気温-24.9℃(平年差-8.0℃)。
2低温(2~4月、12月)モンゴル及びその周辺
  • モンゴル及びその周辺では、2月から4月にかけてと12月に、異常低温となった。
  • モンゴルのウランバートル:2月の月平均気温-20.8℃(平年差-3.6℃)。
3高温(6~9月)日本及びその周辺
  • 日本及びその周辺では、6月から9月にかけて、異常高温となった。
  • 北海道の帯広:8月の月平均気温23.4℃(平年差+3.4℃)。
4大雨(8月)中国中部
  • 中国カンスー(甘粛)省ガンナン(甘南)チベット族自治州ズッチュ(舟曲)県では8日、大雨による土砂崩れが発生し、1760人以上が死亡したと伝えられた。
5台風・多雨(10月)西日本~タイ
  • 奄美大島では停滞前線に台風第13号の暖湿流が流れ込み、名瀬では20日(日本時間)の日降水量が622.0mmとなった(10月の月降水量平年値:238.7mm)。
  • 南シナ海周辺では、積乱雲の活動が活発で、タイのナコンサワンでは月降水量が588mm(平年比438%)となった。
  • 大雨による洪水で、タイでは100人以上が死亡、ベトナムでは60人以上が死亡したと伝えられた。
6高温(通年)東南アジア
  • 東南アジアでは、たびたび異常高温となった。
  • タイのチェンマイ:5月の月平均気温31.4℃(平年差+2.6℃)。
7多雨(7~10月)インドネシア南部及びその周辺
  • インドネシア南部及びその周辺では積乱雲の活動が活発で、たびたび異常多雨となった。
  • インドネシアのジャカルタ:7月の月降水量250mm(平年比460%)。
8多雨(6~9月)パキスタン及びその周辺
  • パキスタン周辺では積乱雲の活動が活発で、6月から9月にかけて、異常多雨となった。
  • 7月下旬から8月上旬の大雨による洪水で1960人以上が死亡したと伝えられた。
9低温(1~2月、11~12月)ヨーロッパ
  • ヨーロッパでは、1月から2月にかけて、及び11月から12月にかけて異常低温となった。
  • ロシアのモスクワ:1月の月平均気温-14.5℃(平年差-7.0℃)、ノルウェーのオスロ:11月の月平均気温-4.2℃(平年差-3.3℃)。
10高温少雨(6~8月)ロシア西部及びその周辺
  • ロシア西部及びその周辺は、6月から8月にかけて、暖かい高気圧に覆われ、異常高温、異常少雨となった。
  • ロシアのモスクワ:7月の月平均気温26.0℃(平年差+7.6℃)。
  • ロシア西部では、熱波・干ばつによる森林火災で40 名以上が死亡したと伝えられ、干ばつによる小麦の生育への影響が報じられた。
11高温(通年)中東~アフリカ西部
  • 中東からアフリカ西部では、たびたび異常高温となった。
  • イランのテヘラン:3月の月平均気温14.7℃(平年差+4.2℃)、エジプトのアスワン:11月の月平均気温26.6℃(平年差+5.0℃)、モーリタニアのヌアクショット:3月の月平均気温26.7℃(平年差+3.1℃)。
12高温(通年)マダガスカル及びその周辺
  • マダガスカル及びその周辺では、たびたび異常高温となった。
  • マダガスカルのアンタナナリボ:5月の月平均気温18.8℃(平年差+1.7℃)。
13高温(通年)北米東部及びその周辺
  • 北米東部及びその周辺では、たびたび異常高温となった。
  • 米国のニューヨーク:7月の月平均気温28.2℃(平年差+3.2℃)。
14低温(2~3月、12月)米国南東部及びその周辺
  • 米国南東部及びその周辺では、2月から3月にかけてと12月に、異常低温となった。
  • 米国テキサス州ヒューストン:2月の月平均気温9.1℃(平年差-5.0℃)。
  • また、米国ワシントンDCでは、2 月11 日に積雪深が56cm となるなど、この冬の降雪量は過去最大になったと伝えられた。
15多雨(6~12月)カリブ海周辺
  • カリブ海周辺では、6月から12月にかけて、積乱雲の活動が活発で、たびたび異常多雨となった。
  • コロンビア北部のバランキジャ:7月の月降水量359mm(平年比686%)。
16高温(1~11月)南米北部
  • 南米北部では、1月から11月にかけて、たびたび異常高温となった。
  • ブラジルのゴイアニア:9月の月平均気温27.5℃(平年差+3.1℃)。
17低温(5月、7~8月、12月)南米南部
  • 南米南部では、5月、7月から8月にかけて、及び12月に、南から寒気が入ったため、異常低温となった。
  • アルゼンチンのサンカルロスデバリローチェでは、8月1日の日最低気温が-10℃を下回った(平年差:約-9℃)。
18多雨(12月)オーストラリア東部
  • オーストラリア東部では、広範囲にわたる洪水に見舞われたと伝えられた。
  • クイーンズランド州ブリズベン:12月の月降水量453mm(平年比390%)。

このページの図表は1971~2000年平年値をもとに作成しました。

年平均気温偏差規格化階級分布図

年平均気温偏差規格化階級分布図

年降水量平年比階級分布図

年降水量平年比階級分布図


異常高温・異常低温出現頻度分布図

異常高温・異常低温出現頻度分布図

異常多雨・異常少雨出現頻度分布図

異常多雨・異常少雨出現頻度分布図

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