東北地方の気候 ~四季の天気~

《一目千本桜》

宮城県柴田郡大河原町

撮影:本田耕平氏

 春のはじめは、大陸の高気圧の勢力が弱まり、日本の東海上に太平洋高気圧が現れます。東北地方を低気圧と高気圧が交互に通過していくようになり、低気圧の通過前には南よりの風が強まり気温が上昇し、通過後は一時的に冬型の気圧配置となり、寒の戻りにさらされます。

 日本の南岸を通り三陸沖を北上する低気圧は、ときとして太平洋側に湿った大雪をもたらします。日本海を低気圧が進むと暴風が吹き荒れることもあり、寒暖を繰り返しながら、次第に気温が上昇していきます。

 4月も終わりになると、大陸の高気圧の勢力は弱まり、東北地方は移動性高気圧に覆われることが多くなります。東北地方で、一年のうち最も日照時間が多いのはこの時期です。


コラム

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春の特徴:南岸低気圧(三陸沖を発達しながら北上)

  • 太平洋側を中心に大雨となることがあります。また、春のはじめには大雪となることもあります。
  • 低気圧の発達程度によっては、暴風や高波に警戒が必要です。

《2019年3月11日09時の地上天気図》

 低気圧が東海道沖から三陸沖へ進み急速に発達。東北地方の太平洋側では風雨が強まり春の嵐となりました。岩手県普代村の日降水量113mmなど、岩手県の沿岸を中心に3月としては記録的な大雨となりました。

春の特徴:日本海低気圧

  • 日本海低気圧は1年を通じてみられますが、著しく発達するものは、春先に多くなっています。
  • 低気圧が急速に発達し、暴風が吹くことがあります。
  • 南よりの強い風が吹き、山を越えて吹き下りると空気が乾燥して気温も上昇します(フェーン現象)。

《2012年4月4日09時の地上天気図》

 低気圧が日本海を北東に進み急発達。15時の中心気圧950hPa。山形県酒田市で最大瞬間風速41.4m/sなど、北海道から北陸にかけて大荒れとなりました。