春の代名詞とも言えるサクラの開花は、その早さや遅さに春先の気温の経過が密接に関わっています。サクラ(ソメイヨシノ)は、前年の夏に花のもととなる花芽を形成し、それ以上生長することなく休眠に入ります。花芽は秋から冬にかけての寒さに一定期間さらされると休眠から覚め、春先の気温の上昇とともに生長し開花します。花芽の生長量は気温が高ければ大きく、低ければ小さくなります。
2020年は、仙台、山形、福島で統計を開始した1953年以降、最も早い開花となりました。この年はサクラの開花の早さに影響が大きい春先の気温が記録的に高かったため、開花が早まったとみられます。一方、1984年は開花を観測した東北地方の12地点すべてで最も遅い開花となりましたが、この年の春先の気温は記録的に低いものでした。