1991年5月の九州北部地方の低温と日照不足
1991年(平成3年)5月は前線が本州南岸から九州付近にかけて停滞することが多く、九州を中心に曇りや雨の日が多くなりました(図9-1)。九州北部地方の梅雨入りも、平年より16日早い5月19日ごろとなりました。
このため、九州北部地方では低温、長雨と日照不足の状態が続き、5月の平均気温は平年と比べて-1.4℃とかなり低かったほか日照時間は平年の62%とかなり少なく、不順な天候となりました(図9-2)。
![]() 図9-1 1991年5月の分布図 (気温平年差・降水量平年比・日照時間平年比) |
![]() 図9-2 1991年5月の九州北部地方における日別の 気温平年差、5日間移動平均した降水量と日照時間平年比 |
この頃の大気は、大陸からの高気圧が日本付近に張り出すことにより、5月としては冷たい空気に覆われていました。そこに、太平洋高気圧の縁辺を流れる南海上からの暖湿気が流入し、西日本を中心に対流活動が活発になったことが天候不順の要因と見られます(図9-3)。
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図9-3 1991年5月の大気の概念図 |