※高温となる大気の流れのパターンはこの限りではありません。
平年と大きく異なる現象についての参考情報
「関東甲信地方の高温の例~2007年8月の例~」
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①亜熱帯ジェットの蛇行が大きく、日本付近が尾根となり、上層の高気圧が強まったと同時に、②フィリピン周辺で対流活動が活発となり、日本付近の下層の高気圧が強まりました(PJパターン)。 |
①について、ヨーロッパ方面から準定常ロスビー波束の伝播が明瞭で、亜熱帯ジェットの蛇行が強化され、日本付近では尾根が強化されました。 |
②について、北西太平洋では赤道季節内変動(MJO)の通過後、対流活動の活発域が北上するという典型的な経過をたどりました。対流活動の活発化により、西部太平洋での局地的な鉛直循環(ハドレー循環)が強化されたと考えられ、日本の南海上で高気圧が強まりました。 |
ラニーニャ現象が発生しており、フィリピン付近を含む西部太平洋からインドネシア付近で対流活動が活発になった背景として、西部太平洋で海面水温が平年より高かったことが関連していると考えられます。 |
2007年8月の高層天気図
2007年8月の海面気圧及びその平年差(hPa)
暖色系は平年より海面気圧が高いことを示します。関東甲信地方は太平洋高気圧に覆われています。
2007年8月の上空200hPaの高度分布図(m)
2007年8月の海面水温及びその平年差(℃)
暖色系は平年より海面水温が高いことを示します。太平洋赤道域東部の海面水温は平年より低く、赤道域西部の海面水温は平年より高くなっています。