遅霜となる大気の流れのパターンはこの限りではありません。
平年と大きく異なる現象についての参考情報
「遅霜事例における参考資料(2013年4月後半から5月初めの例)」活発な対流活動で寒帯前線ジェット気流の蛇行が促進され、ブロッキング高気圧が発生し、日本付近に寒気が流れ込みやすい場となりました。
遅霜となりやすい典型事例となった2013年4月後半から5月初めの上空の大気の流れ |
寒帯前線ジェット気流が日本付近で南に蛇行し、寒気を南下させる流れとなっていました。 |
フィリピン付近の対流活動が活発で、亜熱帯ジェット気流を中国南部で北に押し上げ、影響が北東に伝わり、日本付近の寒帯前線ジェット気流の蛇行を強化しました。 | |
このように寒帯前線ジェット気流が極端に蛇行する場合、カムチャツカ半島付近にブロッキング高気圧が形成されることがあり、日本付近に寒気が流れ込むことがあります。 |
2013年4月の日本付近の月平均高層天気図
500hPa天気図(左図)では等高度線が日本付近で大きく南に蛇行していました。これは、寒帯ジェット気流が日本付近で南に蛇行していたことと対応しています。
850hPa気温分布(右図)では、大陸東岸から日本付近にかけては平年より気温が低く、日本付近に大陸からの寒気が流れ込んだことと対応しています。
2013年4月500hPa高度分布および平年偏差(m)
2013年4月850hPa温度および平年偏差(℃)
2013年4月の海面水温
下図によると、フィリピン付近で海面水温が平年より高かったことがわかります。一般的に、海面水温が高いと積乱雲発生などの対流活動が活発になります。
2013年4月の海面水温平年偏差(℃)