焼岳[やけだけ] Yakedake【常時観測火山】
北緯 36°13′37″ 東経 137°35′13″ 標高 2,455m (三角点・焼岳) |
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![]() 焼岳全景 東側から 2011年8月4日 気象庁撮影 |
概要
北から割谷山(わるだにやま)、焼岳、白谷山(しらたにやま)、アカンダナ山と並ぶ焼岳火山群のうち、焼岳のみが現在も活動中。焼岳は安山岩・デイサイトの成層火山、山頂部は溶岩ドームで、山腹には火砕流堆積物を伴う。山頂火口(直径約300m)のほか、山腹からも噴火している。最新のマグマ噴火は、2.3kaに起きた焼岳円頂丘溶岩とそれに伴う中尾火砕流堆積物の活動である。東麓ではこの火砕流堆積物の上位の黒色土壌中にテフラが認められる。安山岩・デイサイトのSiO2 量は61.0~65.0 wt.%である。
有史以降の噴火はほとんど水蒸気爆発で、泥流を生じやすい。平常でも噴気活動が盛んである。
噴火活動史
各火山について、地質学的な研究によってわかっている過去1万年の火山活動史を記載した。また、過去1万年間の噴火活動と有史以降の火山活動とに分けて記載した。
- 過去1万年間の噴火活動
焼岳の形成は15000年前頃から始まり、活動の初期には黒谷付近に溶岩や火砕流を噴出した。最近1万年間にも溶岩や火砕物の噴出が続き、約2300年前には最新のマグマ噴火が起こり、この活動で焼岳円頂丘溶岩と中尾火砕流が同時に噴出した。この噴火の後にも、4回/千年の割合で水蒸気噴火が発生している。
噴火イベントの年代、噴火場所、噴火様式等については、(国研)産業技術総合研究所の活火山データベース(工藤・星住, 2006)を参考。
- 焼岳 有史以降の火山活動
「概要」、「過去1万年間の噴火活動」、「有史以降の火山活動」については日本活火山総覧(第4版)(気象庁編、2013)及び最近の観測成果による。
なお、噴出物量については、降下火砕物、火砕流、火砕サージ、溶岩流、溶岩ドーム等を加えた重量(単位は「ton」)またはマグマ噴出量(DRE km3)で記載している。また、噴出物量が既知である場合については、産業技術総合研究所作成の活火山データベースから参照し、VEI(火山爆発指数)も付している。詳しくはこちらを参照のこと。
火山観測
気象庁では、地震計、傾斜計、空振計、GNSS、監視カメラを設置し、 関係機関協力の下、焼岳の火山活動の監視・観測を行っています。
噴火警報・予報、火山の状況に関する解説情報
- 焼岳の噴火警戒レベル(PDF)
火山活動解説資料
- 焼岳の火山活動解説資料
気象庁が実施した火山観測データの解析結果や、火山活動の診断結果を掲載します。毎月1回、上旬に公表します。