雄阿寒岳(おあかんだけ) Oakandake
北緯43°27′15″ 東経144°09′53″ 標高1,370m (雄阿寒岳)(三角点) |
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![]() 雄阿寒岳全景 南西側上空から 2008 年 4 月 16 日 中川光弘撮影 |
概要
雄阿寒岳は、北海道釧路市の北部に位置する火山で、雌阿寒岳、フップシ岳、フレベツ岳と共に阿寒カルデラの後カルデラ火山のひとつである。雄阿寒岳の噴火活動は前期と後期に二分される。前期の始まりの年代は不明であるが、1.3万年前より古い。8000年以上の休止期を経て、約5000年前に後期の活動が始まり、安山岩質溶岩が多数噴出した。約1000年前までには山頂部での噴火活動は終了した。雄阿寒岳では溶岩噴出が主体で、約5000年前に火砕丘を形成する規模の噴火はあったが、広範囲にテフラを堆積させる規模の大きな爆発的噴火は認められない。構成岩石のSiO2量は53.9~63.8 wt.% である。
噴火活動史
各火山について、地質学的な研究によってわかっている過去1万年の火山活動史を記載した。また、過去1万年間の噴火活動と有史以降の火山活動とに分けて記載した。
- 過去1万年間の噴火活動
雄阿寒岳は、約8000年の休止期を経て、約5000年前に溶岩流出後に二ツ岳付近の火口で爆発的噴火が起こり、スコリア、軽石及び安山岩質類質岩片からなる雄阿寒岳降下火砕物(Oafa)を山体南東部に堆積させた。その後、山体南部に溶岩流が流下した。約5000~2500年前、山頂付近でストロンボリ式噴火、火砕丘を形成し、溶岩流が山体北部及び東部の広い範囲に多数流下した。その後、約2500~1000年前まで、山頂火口群で水蒸気爆発が発生した。北山腹の北火口には弱い噴気活動の記録がある。
- 雄阿寒岳 有史以降の火山活動
「概要」、「過去1万年間の噴火活動」、「有史以降の火山活動」については日本活火山総覧(第4版) (気象庁編、2013)及び最近の観測成果による。
なお、噴出物量については、降下火砕物、火砕流、火砕サージ、溶岩流、溶岩ドーム等を加えた重量 (単位は「ton」)またはマグマ噴出量(DRE km3)で記載している。また、噴出物量が 既知である場合については、(国研)産業技術総合研究所作成の活火山データベースから参照し、VEI(火山爆発指数) も付している。詳しくはこちらを参照のこと。
噴火警報・予報、火山の状況に関する解説情報
火山活動解説資料
- 雄阿寒岳の火山活動解説資料
気象庁が実施した火山観測データの解析結果や、火山活動の診断結果を掲載します。毎月1回、上旬に公表します。