北西太平洋の底層の水温変化

平成31年3月20日発表(次回発表予定 平成32年3月23日)
気象庁地球環境・海洋部

診断(2018年)

2018年に観測した北西太平洋の底層(水温1.2℃以下の領域)の平均水温は、以下のとおりでした。

  • 東経137度線の海域Cでは1994年と比較して0.006℃上昇しました。
  • 千島列島周辺の海域Dでは1985年と比較して0.007℃上昇しました。
  • 東経165度線の海域Eでは1992年と比較して有意な変化はみられませんでした。
  • 東経165度線の海域Fでは2011年と比較して有意な変化はみられませんでした。

※各ボックスをクリックすると各海域でのデータが表示されます

平均水温(℃)1994年との差
19941.187-
20101.191+0.004
20161.189(+0.002)
平均水温(℃)1994年との差
19941.180-
20101.182(+0.002)
20161.182(+0.001)
平均水温(℃)1994年との差
19941.152-
20101.157+0.005
20111.154(+0.002)
20121.154(+0.002)
20131.155(+0.002)
20141.153(+0.001)
20151.154(+0.001)
20161.156(+0.003)
20171.156+0.004
20181.159+0.006
平均水温(℃)1985年との差
19851.109-
19991.113+0.004
20071.114+0.005
20111.114+0.005
20141.114+0.005
20171.115+0.006
20181.116+0.007
平均水温(℃)1992年との差
19921.113-
20111.117(+0.004)
20171.117(+0.004)
20181.117(+0.004)
平均水温(℃)2011年との差
20111.069-
20121.066(-0.003)
20131.064-0.005
20141.065-0.005
20151.065-0.004
20161.070(+0.001)
20171.071(+0.002)
20181.072(+0.003)
平均水温(℃)1993年との差
19931.071-
20051.071(0.000)
20111.073(+0.002)
20141.075(+0.003)
平均水温(℃)1989年との差
19891.077-
20151.083+0.006
北西太平洋の底層の水温変化の診断における診断を行う観測ライン

北西太平洋における底層の水温

地図中に示す8海域で、1980年代から1990年代にかけて行われた海面から海底までの高精度の海洋観測の結果と、近年実施した同じく高精度の海洋観測の結果から、それぞれの水温1.2℃以下の領域での平均水温を見積もり、それらの平均水温の差を示しています(ただし、海域Fは2011年から)。平均水温の差にある( )付きの値は有意な変化ではないことをあらわします。地図中で薄い灰色で示した部分は、水深が4000mより浅い海域をあらわしています。各海域の詳しい範囲及び使用した観測データについては「北西太平洋の底層の水温変化:補足資料」をご覧ください。平均水温の差の値をクリックすると底層の水温変化の断面図をご覧になれます。

水温は、水圧による水温上昇分を除いたポテンシャル水温であらわします。

注)端数を四捨五入しているため、表記した数値の差は「平均水温の差」と値が一致しない場合があります。

北西太平洋の底層の平均水温データ[テキスト形式:6KB]


解説

気象庁は、2010年からは毎年、北西太平洋において海面から海底までの高精度の海洋観測を行っています。2018年は東経137度(海域C)、千島列島周辺(海域D)、東経165度(海域E、F)について観測を行いました。その結果、北西太平洋の底層水(水温1.2℃以下)の平均水温は、海域Cでは1994年と比較して0.006℃、海域Dでは1985年と比較して0.007℃上昇しました。一方で、海域Eでは1992年と、海域Fでは2011年と比較して有意な変化はみられませんでした。

近年、1980~1990年代の海洋観測とそれ以降の観測の比較が盛んに行われ、北太平洋の様々な海域において、底層で0.005~0.01℃の水温上昇が報告されています。気象庁が2015年にカロリン諸島周辺(海域H)で行った観測でも、1989年と比べて有意な水温上昇(0.006℃)がみられています。

北太平洋の底層水は、南極周辺海域の海面で冷却され、底層へと沈み込んだ海水を主な起源としています(太平洋における深層循環)。南極周辺海域で生じた水温の変化は、海底地形に沿って数十年で北西太平洋まで到達するとされており、北西太平洋の底層における昇温は、南極周辺海域での冷却の弱まりと、底層水の形成量の減少を示唆するものだと考えられます。

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