日本沿岸の月平均潮位の変動

診断（２０１８年１２月）

2018年12月の月平均潮位は、最近5年間の同月の平均と比べ、東海地方の沿岸でかなり高く、伊豆諸島、紀伊半島南西岸、四国地方の太平洋沿岸、九州西岸から九州南部でやや～かなり高く、近畿北部から九州の日本海沿岸、紀伊水道、瀬戸内海、沖縄本島地方、大東島地方の沿岸でやや高い状態でした｡
一方、与那国島地方でかなり低く、父島、石垣島地方の沿岸でやや低い状態でした。
その他の地方の沿岸は、ほぼ例年並でした｡

2018年12月 月平均潮位偏差分布

月平均潮位偏差とは、最近5年間の月平均値からの差で、正(負)の値は最近5年間の月平均値より高い(低い)ことを示しています。偏差は、図の下方にあるスケールと同じ色で分類されています。

平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震の影響により、▲で示した地点は診断での利用を終了または休止しています。

偏差をΔHとすると、ΔHの分類は以下のとおりです。

甚だ高い	+20 ≤	ΔH
かなり高い	+10 ≤	ΔH <	+20
やや高い	+5 ≤	ΔH <	+10
例年並	-5 ≤	ΔH <	+5
やや低い	-10 ≤	ΔH <	-5
かなり低い	-20 ≤	ΔH <	-10
甚だ低い		ΔH <	-20

解説

三宅島では付近を黒潮が流れており、海面水位が高いところに位置していました。
東海地方の沿岸では、黒潮から分かれた暖水の影響がありました。
沖縄本島地方、大東島地方の近海では、月を通じて暖水渦があり、海面水位が高い状態でした。

八重山地方の近海に冷水渦があり、海面水位がやや～かなり低い状態でした。
父島の近海に冷水域があり、海面水位が低い状態でした。

これらのことから、月平均潮位が東海地方の沿岸でかなり高く、伊豆諸島、紀伊半島南西岸、四国地方の太平洋沿岸、九州西岸から九州南部でやや～かなり高く、近畿北部から九州の日本海沿岸、紀伊水道、瀬戸内海、沖縄本島地方、大東島地方の沿岸でやや高い状態になった一方、八重山地方の沿岸、父島でやや～かなり低い状態になったものと考えられます。

（参考情報：月平均表層水温の偏差、 関東・東海・北陸周辺海域の深さ100mの水温分布図、深さ50mの海流分布図（12月19日）、 近畿・中国・四国周辺海域の深さ50mの海流分布図、深さ100mの水温分布図（12月19日）、 沖縄周辺海域の海面高度偏差分布図（12月19日））

なお、このページにおける偏差は、潮位、水温、海面気圧、地盤上下変動量（検潮所周辺の国土地理院のGPS観測データをもとに気象庁で計算した推定値）と最近5年間（2013～2017年）のデータの平均値との差としています。 また、月平均潮位偏差の各地点の値は潮汐概況に掲載しています。

（参考情報：潮汐概況）