日本沿岸の月平均潮位の変動

診断（２０１８年８月）

2018年8月の月平均潮位は、父島でかなり高く、沖縄本島地方、大東島地方、八重山地方でかなり～やや高く、三宅島、東海地方の一部沿岸でやや高い状態でした。 一方、近畿地方から四国地方にかけての太平洋沿岸、奄美地方でやや低い状態でした。
その他の地方の沿岸は、ほぼ例年並でした｡

2018年8月 月平均潮位偏差分布

月平均潮位偏差とは、最近5年間の月平均値からの差で、正(負)の値は最近5年間の月平均値より高い(低い)ことを示しています。偏差は、図の下方にあるスケールと同じ色で分類されています。

平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震の影響により、▲で示した地点は診断での利用を終了または休止しています。

偏差をΔHとすると、ΔHの分類は以下のとおりです。

甚だ高い	+20 ≤	ΔH
かなり高い	+10 ≤	ΔH <	+20
やや高い	+5 ≤	ΔH <	+10
例年並	-5 ≤	ΔH <	+5
やや低い	-10 ≤	ΔH <	-5
かなり低い	-20 ≤	ΔH <	-10
甚だ低い		ΔH <	-20

解説

父島では、月平均表層水温が最近5年間の同月の平均と比べ高い状態でした。
南大東島、石垣島では、暖水渦があり、海面水位が高い状態でした。
沖縄本島、与那国島では、月平均海面気圧が最近5年間の同月の平均に比べ3hPa程度低い状態でした。
東海地方の沿岸では、暖水域があり、海面水位が高い状態でした。
三宅島は、付近を黒潮が流れており海面水位が高いところに位置していました。

黒潮が、室戸岬及び潮岬を離岸して流れており、近畿地方、四国地方の太平洋側沿岸では、海面水位が低い状態でした。
奄美地方では、冷水渦があり、海面水位が低い状態でした。

これらのことから、月平均潮位が父島でかなり高く、沖縄本島地方、大東島地方、八重山地方でかなり～やや高く、三宅島、東海地方の一部沿岸でやや高い状態になった一方、近畿地方から四国地方にかけての太平洋沿岸、奄美地方でやや低い状態になったものと考えられます。

（参考情報：月平均海面気圧の偏差、 月平均表層水温の偏差、 沖縄周辺海域の海面高度偏差分布図（8月19日）

なお、このページにおける偏差は、潮位、水温、海面気圧、地盤上下変動量（検潮所周辺の国土地理院のGPS観測データをもとに気象庁で計算した推定値）と最近5年間（2013～2017年）のデータの平均値との差としています。 また、月平均潮位偏差の各地点の値は潮汐概況に掲載しています。

（参考情報：潮汐概況）