海氷域面積の長期変化傾向(オホーツク海)

平成24年7月2日発表

気象庁地球環境・海洋部

診断(2012年)

 オホーツク海の海氷域面積は年ごとに大きく変動していますが、長期的には緩やかに減少しています。オホーツク海の海氷の勢力をあらわす指標である積算海氷域面積(備考参照)は、10年あたり173万平方キロメートルの減少となっています。また、最大海氷域面積(備考参照)は、10年あたり5.8万平方キロメートルの減少となっています。この値はオホーツク海の全面積の3.7%に相当します。
 北海道オホーツク海沿岸では、稚内で2008年以来4年ぶりに流氷が観測されましたが、釧路では4年連続で流氷が観測されませんでした。

オホーツク海の海氷域面積の経年変化(1971~2012年)

オホーツク海の海氷域面積の経年変化(1971~2012年)

解説

長期変化傾向

オホーツク海の海氷域面積

 オホーツク海の海氷域面積は年ごとに大きく変動していますが、長期的に見ると、積算海氷域面積は10年当たり173 [63~282] 万平方キロメートルの減少、最大海氷域面積は10年当たり5.8 [2.0~9.6]万平方キロメートル(オホーツク海の全面積の3.7%に相当)の減少となっています(角括弧中の数字は95%の信頼区間を示す)。
 オホーツク海の海氷域面積は、海洋の状態や地域的な気温、風の影響に左右されます。 オホーツク海の海氷域面積の変動に影響を及ぼす海洋や気象のメカニズムについては、 地球温暖化の影響の評価も含め、現在も研究が進められています。


今シーズン(2011年12月~2012年5月)の状況

オホーツク海全体の状況

 今シーズン(2011年12月~2012年5月)のオホーツク海の海氷域面積は、概ね平年並で経過しました。

 今シーズンは2月から3月にかけオホーツク海に寒気が流入し、オホーツク海中部・南部では西よりの風が吹く日が多く、海氷域が広がりました。海氷域面積が最大になったのは3月31日で、その値は平年並(平年値:116.92万平方キロメートル)の112.26万平方キロメートルでした。
 4月以降はオホーツク海で南よりの風が吹く日が多く、気温が平年より高くなり、海氷の融解が進みました。

北海道沿岸の海氷の状況

 網走では、流氷初日が平年より4日早い1月17日、流氷終日が平年より5日遅い4月16日で、流氷期間は平年より10日長い91日でした。また、稚内では2008年以来4年ぶりに流氷が観測され、流氷初日は平年より14日遅い2月27日、流氷終日は平年より3日遅い3月15日で、流氷期間は平年より10日短い18日でした。
 なお、釧路では4年連続で流氷が観測されませんでした。


備考

  • 積算海氷域面積 : 前年12月5日から5月31日までの期間において、各半旬の海氷域面積を合計した値。そのシーズンのオホーツク海の海氷の勢力をあらわす指標として用いています。
  • 最大海氷域面積 : 海氷域が年間で最も拡大した半旬の海氷域面積。
  • 診断に使用した資料 : 人工衛星等の観測資料をもとに、12月5日から5月31日までの期間、半旬(毎月5日、10日、15日、20日、25日および月末)ごとに、オホーツク海、日本海および渤海周辺の海氷の解析結果から求めた海氷域面積。

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