日本近海の海流

平成31年4月10日発表
気象庁地球環境・海洋部

診断(2019年4月上旬)

  • 黒潮は大蛇行しています。
  • 黒潮は、都井岬で接岸し、足摺岬、室戸岬、潮岬では離岸して流れています。
  • 黒潮は、潮岬の南を南東に流れ、北緯31度、東経136度付近から南南東に流れ、北緯30度、東経136.5度付近から東南東に流れ、北緯29.5度、東経137.5度付近から北東に流れ、北緯30度、東経138度付近から北に流れ、北緯32度付近から北東に流れ、三宅島と八丈島の間を通って、北緯35度、東経141度付近から北北東に流れ、北緯38度、東経143度付近から東南東に流れています。房総半島では接岸して流れています。
  • 親潮の沿岸寄りの分枝の南限位置は、北緯39度、東経142.5度付近、沖合の分枝の南限位置は、北緯40度、東経147度付近にあり、親潮の面積は平年より小さくなっています。
  • 対馬暖流の勢力は、平年よりかなり強くなっています。

日本近海の深さ100mの水温分布図(4月9日)
日本近海の深さ100mの水温分布図(4月9日)

この図の水温は速報値です。日本近海のデータの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがあります。

解説

沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流

2019年4月上旬の沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流の実況は、表1のとおりです。

表1:沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流の実況と見通し
海域・項目 実況 向こう1か月の見通し(注)
沖縄本島から北西沖の黒潮までの距離(※1 190km付近
トカラ海峡の黒潮の通過緯度/向き(※1 北緯29.6度 / 東南東
都井岬での黒潮の離岸・接岸(※1 接岸 離岸する
足摺岬での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸 離岸と接岸を繰り返す
室戸岬での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸 離岸
潮岬での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸 離岸
東海沖の黒潮流路の最南位置(※2 北緯29.5度、東経137.5度付近 北緯30度、東経138度付近
伊豆諸島付近の黒潮通過位置(※1 三宅島と八丈島の間 三宅島付近
房総半島での黒潮の離岸・接岸(※1 接岸 接岸
その他の顕著な現象 遠州灘から熊野灘にかけて暖水域が、東海沖の北緯32度、東経136.5度付近に冷水渦が、沖縄本島の東の北緯26度、東経129.5度付近、先島諸島の南の北緯22度、東経125度付近に暖水渦が、それぞれみられる

(注)『 − 』は、海面水温・海流1か月予報に記載がない項目です。

(※)が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。

 

日本の東と日本海の海流

2019年4月上旬の日本の東と日本海の海流は、表2のとおりです。

表2:日本の東と日本海の海流の実況と見通し
項目 実況 向こう1か月の見通し(注)
親潮の沿岸寄りの分枝の南限位置(※3 北緯39度、東経142.5度付近(図中A) 北緯38度、東経144.5度付近
親潮の沖合の分枝の南限位置(※3 北緯40度、東経147度付近(図中B) なし
その他の親潮系冷水の位置 特にみられない
親潮の面積(※4 平年より小さい 平年並
津軽暖流の東端の経度(※5 東経142度付近(平年並)(図中C)
日本の東の黒潮系暖水の北限緯度(※6 北緯38度付近(平年より北)(経度は東経143.5度付近)(図中D)
その他の日本の東の海流 本州東方の北緯41.5度、東経146.5度付近に暖水渦がみられる
日本海の海流 対馬暖流は、山陰沖西部を北東に流れ、隠岐の北の北緯36.5度、東経133.5度付近から東南東に流れ、若狭湾沖を反時計回りに流れ、山陰沖東部の北緯37度、東経134度付近から北に流れ、日本海南部の北緯38度付近から東に流れ、能登沖の東経136.5度付近から北東に流れ、秋田沖の北緯40度、東経139.5度付近から北北東に流れて津軽海峡に達している
朝鮮半島東方では、時計回りの流れがみられる
対馬暖流の勢力(※7 平年よりかなり強い 平年よりかなり強い

(注)『 − 』は、海面水温・海流1か月予報に記載がない項目です。

(※)が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。

 

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