日本沿岸の月平均潮位の変動

診断（２０１６年６月）

2016年6月の月平均潮位は、最近5年間の同月の平均に比べ、北海道太平洋側東部の沿岸でやや～かなり高く、北海道から九州北部地方にかけての日本海沿岸でやや高い状態でした。一方、三宅島ではかなり低く、八重山地方の沿岸ではやや～かなり低い状態でした。また、南大東島ではやや低い状態でした。
その他の地方の沿岸は、ほぼ例年並でした。

2016年6月 月平均潮位偏差分布

月平均潮位偏差とは、最近5年間の月平均値からの差で、正(負)の値は最近5年間の月平均値より高い(低い)ことを示しています。偏差は、図の下方にあるスケールと同じ色で分類されています。

平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震の影響により、▲で示した地点は診断での利用を終了または休止しています。

偏差をΔHとすると、ΔHの分類は以下のとおりです。

甚だ高い	+20 ≤	ΔH
かなり高い	+10 ≤	ΔH <	+20
やや高い	+5 ≤	ΔH <	+10
例年並	-5 ≤	ΔH <	+5
やや低い	-10 ≤	ΔH <	-5
かなり低い	-20 ≤	ΔH <	-10
甚だ低い		ΔH <	-20

解説

2016年6月の月平均海面気圧は、最近5年間の同月の平均に比べ、全般に高く、特に南西諸島では2hPa前後高い状態でした。

北海道太平洋側東部の沿岸及び北海道から九州北部地方にかけての日本海沿岸では、月平均表層水温が最近5年間の同月の平均と比べ高い状態でした。
伊豆諸島の周囲には黒潮が八丈島の南を流れたことに伴う冷水域がありました。また、三宅島では地盤が隆起している状態でした。
八重山地方の沿岸及び南大東島では、月平均表層水温が最近5年間の同月の平均と比べ低い状態でした。

これらのことから、月平均潮位が北海道太平洋側東部の沿岸でやや～かなり高く、北海道から九州北部地方にかけての日本海沿岸でやや高い状態になった一方、三宅島でかなり低く、八重山地方の沿岸でやや～かなり低く、南大東島でやや低い状態になったものと考えられます。

（参考情報：月平均海面気圧の偏差、月平均表層水温の偏差、地盤上下変動量、関東・東海・北陸周辺海域の深さ50mの海流分布図（6月19日））

なお、このページにおける偏差は、潮位、水温、海面気圧、地盤上下変動量（検潮所周辺の国土地理院のGPS観測データをもとに気象庁で計算した推定値）と最近5年間（2011～2015年）のデータの平均値との差としています。 また、月平均潮位偏差の各地点の値は潮汐概況に掲載しています。

（参考情報：潮汐概況）