オホーツク海の海氷分布(月概況)

平成18年5月5日発表

気象庁地球環境・海洋部

診断(2006年4月)

 オホーツク海の海氷域面積は4月を通して平年より小さく経過しました。
 稚内では、流氷が最初に観測される「流氷初日」が、統計開始以来最も遅い記録(4月5日)となりました。北海道の気象官署で4月に流氷初日が観測されるのは統計開始以来初めてのことです。
オホーツク海海氷解析図

オホーツク海海氷分布図(速報値)(2006年4月28日)
白い領域が海氷域であり、赤い線は平年(4月30日)の海氷縁です。

解説

 3月中旬から下旬にかけて、オホーツク海の海氷域面積は縮小しましたが、4月に入ってからは、オホーツク海の気温が平年より低い状態が続いたため、海氷の融解があまり進まず、海氷域面積が縮小する速度は鈍りました。このため、オホーツク海の海氷域面積は、4月を通して平年より小さく経過してはいるものの、2005年12月~2006年3月の状況と比べると、平年との差は縮まってきています。

北海道周辺の流氷の動き
 2月から3月にかけて流氷は平年より早く沖合いに後退し、流氷が最後に観測される「流氷終日」は、根室で平年より28日早い3月5日、網走で平年より22日早い3月25日(ともに1946年の統計開始以来3番目の早さ)となりました。
 一方、3月末に流氷は宗谷海峡に流入し、4月初めに流氷は宗谷地方の一部に接岸しました。稚内では、流氷が最初に観測される「流氷初日」が1946年の統計開始以来最も遅い記録(4月5日)となりました。その後、流氷は北海道オホーツク海沿岸に沿って南下し、紋別では、2月20日以来、46日ぶりとなる4月7日に流氷が観測されました。4月中旬以降は、流氷は融解・後退が進み、4月末現在の流氷はサハリン南端まで後退しています。
 4月28日発表の北海道の天候の1か月予報では、北海道周辺の気温は、5月前半は平年並か低く、5月後半は平年並と予想されています。5月中旬以降、北海道周辺で海氷が観測される可能性は少ないと考えられます。

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