日本近海の海流(月概況)

平成29年2月20日発表
気象庁地球環境・海洋部

診断(2017年1月)

  • 黒潮は、1月を通して沖縄の北西180km付近を流れていました。都井岬では、1月を通して接岸して流れていました。足摺岬では、1月上旬と中旬は接岸して流れ、下旬の前半は離岸し、下旬の後半は接岸して流れていました。室戸岬では、1月上旬と中旬は接岸して流れ、下旬は離岸して流れていました。潮岬では、1月を通して接岸して流れていました。
  • 東海沖の黒潮の最南位置は、1月上旬は北緯32.5度、東経137.5度付近、中旬は北緯32.5度、東経139度付近、下旬は北緯32.5度、東経138.5度付近となっていました。伊豆諸島付近では、1月上旬と中旬は三宅島付近を流れ、下旬は八丈島の南を流れていました。
  • 親潮の南限位置は、1月上旬は北緯40.5度、東経146.5度付近、中旬は北緯39.5度、東経145.5度付近、下旬は北緯39度、東経146度付近でした。親潮の面積は、1月上旬と中旬は平年並、下旬は平年より小さくなっていました。
  • 対馬暖流の勢力は、1月上旬は平年より強く、中旬と下旬は平年よりかなり強くなっていました。

日本近海の深さ100mの月平均水温分布図(2017年1月)
日本近海の深さ100mの月平均水温分布図(2017年1月)

この図の水温は速報値です。海洋のデータバンクの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがありますので、最新の資料は、データバンクをご利用ください。 海氷で覆われているため海面水温のデータがない海域は、灰色の網掛けで示しています。

解説

沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流

2017年1月の沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流の実況は、表1のとおりでした。

表1:沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流の旬ごとの経過
海域・項目 上旬 中旬 下旬
沖縄本島から北西沖の黒潮までの距離(※1 180km付近 180km付近 180km付近
トカラ海峡の黒潮の通過緯度/向き(※1 北緯29.7度、東南東 北緯30.1度、南東 北緯30.2度、東南東
都井岬での黒潮の離岸・接岸(※1 接岸 接岸 接岸
足摺岬での黒潮の離岸・接岸(※1 接岸 接岸 旬の前半は離岸、後半は接岸
室戸岬での黒潮の離岸・接岸(※1 接岸 接岸 離岸
潮岬での黒潮の離岸・接岸(※1 接岸 接岸 接岸
東海沖の黒潮流路の最南位置(※2 北緯32.5度、東経137.5度 北緯32.5度、東経139度 北緯32.5度、東経138.5度
伊豆諸島付近の黒潮通過位置(※1 三宅島付近 三宅島付近 八丈島の南
房総半島での黒潮の離岸・接岸(※1 接岸 接岸 接岸
その他の顕著な現象 先島諸島の南では、1月上旬に北緯24度、東経123度付近、下旬に北緯23度、東経125.5度付近に暖水渦がみられた
奄美群島の南では、1月上旬、中旬に北緯26.5度、東経130度付近、下旬に北緯27度、東経130.5度付近に暖水渦がみられた
沖縄諸島の南では、1月上旬、中旬に北緯23度、東経127度付近に暖水域がみられた
関東の南東では、1月下旬に北緯34度、東経144度付近に冷水渦がみられた

(※)が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。

 

日本の東と日本海の海流

2017年1月の日本の東と日本海の海流は、表2のとおりでした。

表2:日本の東と日本海の海流の旬ごとの経過
項目 上旬 中旬 下旬
親潮の沿岸寄りの分枝の南限位置(※3 北緯40.5度、東経146.5度付近 北緯39.5度、東経145.5度付近(図中A) 北緯39度、東経146度付近
親潮の沖合の分枝の南限位置(※3 なし なし なし
その他の親潮系冷水の位置 特にみられない 特にみられない 特にみられない
親潮の面積(※4 平年並 平年並 平年より小さい
津軽暖流の東端の経度(※5 東経143.5度付近(平年並)(図中B) 東経143.5度付近(平年並)(図中B) 東経143度付近(平年より東)
日本の東の黒潮系暖水の北限緯度(※6 北緯38度付近(平年より北)(経度は東経144.5度付近) 北緯38.5度付近(平年より北)(経度は東経145.5度付近)(図中C) 北緯37.5度付近(平年より北)(経度は東経141.5度付近)
その他の日本の東の海流 1月を通して、三陸沖の北緯40.5度、東経144.5度付近(図中D)に暖水渦がみられた
日本海の海流 対馬暖流は、山陰沖西部を北東に流れていた
隠岐の北西の北緯37度付近からは北に流れ、北緯39度、東経132.5度付近からは東に流れていた
能登沖の東経136度付近からは北に流れ、北緯40度付近からは東北東に流れて、津軽海峡に達していた
山陰沖東部では南東向きの流れが、若狭湾沖では北向きの流れが、朝鮮半島東方では時計回りの流れがみられた
対馬暖流の勢力(※7 平年より強い 平年よりかなり強い 平年よりかなり強い

(※)が付いている項目については、「海流の診断の見方」のページもあわせて参照ください。

 

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