日本近海の海流(月概況)

平成28年3月22日発表
気象庁地球環境・海洋部

診断(2016年2月)

  • 黒潮は、2月を通して沖縄の北西180〜190km付近を流れていました。都井岬では2月上旬は離岸し、中旬と下旬は接岸して流れていました。足摺岬では、2月中旬と下旬に一時接岸し、それ以外の期間は離岸して流れていました。室戸岬では2月を通して離岸して流れていました。潮岬では2月上旬は接岸し、中旬と下旬は離岸して流れていました。
  • 東海沖の黒潮の最南位置は、2月上旬は北緯32.5度、東経139度付近、中旬は北緯32.5度、東経136.5度付近、下旬は北緯32.5度、東経137.5度付近となっていました。伊豆諸島付近では、2月を通して八丈島付近を流れていました。
  • 親潮の沿岸寄りの分枝の南限位置は、2月上旬は北緯41.5度、東経143度付近、中旬と下旬は北緯41.5度、東経143.5度付近でした。沖合の分枝の南限位置は、2月を通して北緯40度、東経147〜148度付近でした。親潮の面積は、2月を通して平年よりかなり小さくなっていました。親潮の面積は、2015年5月以降、平年よりかなり小さい状態が続いています。
  • 対馬暖流の勢力は、2月上旬と中旬は平年並、下旬は平年より強い状態でした。

日本近海の深さ100mの月平均水温分布図(2016年2月)
日本近海の深さ100mの月平均水温分布図(2016年2月)

この図の水温は速報値です。海洋のデータバンクの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがありますので、最新の資料は、データバンクをご利用ください。 海氷で覆われているため海面水温のデータがない海域は、灰色の網掛けで示しています。

解説

沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流

2016年2月の沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流の実況は、表1のとおりでした。

表1:沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流の旬ごとの経過
海域・項目 上旬 中旬 下旬
沖縄本島から北西沖の黒潮までの距離(※1 180km付近 190km付近 190km付近
トカラ海峡の黒潮の通過緯度/向き(※1 北緯30.1度、東南東 北緯30.2度、南東 北緯30.3度、南東
都井岬での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸 接岸 接岸
足摺岬での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸 旬の前半は接岸、後半は離岸 旬の前半は接岸、後半は離岸
室戸岬での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸 離岸 離岸
潮岬での黒潮の離岸・接岸(※1 接岸 離岸 離岸
東海沖の黒潮流路の最南位置(※2 北緯32.5度、東経139度 北緯32.5度、東経136.5度 北緯32.5度、東経137.5度
伊豆諸島付近の黒潮通過位置(※1 八丈島付近 八丈島付近 八丈島付近
房総半島での黒潮の離岸・接岸(※1 接岸 接岸 離岸
その他の顕著な現象 特にみられない

(※)が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。

 

日本の東と日本海の海流

2016年2月の日本の東と日本海の海流は、表2のとおりでした。

表2:日本の東と日本海の海流の旬ごとの経過
項目 上旬 中旬 下旬
親潮の沿岸寄りの分枝の南限位置(※3 北緯41.5度、東経143度付近 北緯41.5度、東経143.5度付近(図中A) 北緯41.5度、東経143.5度付近(図中A)
親潮の沖合の分枝の南限位置(※3 北緯40度、東経147度付近(図中B) 北緯40度、東経147.5度付近 北緯40度、東経148度付近
その他の親潮系冷水の位置 特にみられない 特にみられない 特にみられない
親潮の面積(※4 平年よりかなり小さい 平年よりかなり小さい 平年よりかなり小さい
津軽暖流の東端の経度(※5 東経142.5度付近(平年並) 東経143度付近(平年より東)(図中C) 東経143度付近(平年より東)(図中C)
日本の東の黒潮系暖水の北限緯度(※6 北緯36度付近(平年より南)(経度は東経143.5度付近) 北緯35.5度付近(平年より南)(経度は東経142度付近) 北緯36度付近(平年並)(経度は東経142.5度付近)(図中D)
その他の日本の東の海流 三陸沖では、2月を通して北緯40〜40.5度、東経145.5度付近に、中旬から下旬にかけて北緯38.5度、東経144度付近に、それぞれ暖水域がみられた
金華山沖から常磐沖にかけて、2月を通して冷水域がみられた
日本海の海流 対馬暖流は2月を通して、山陰沖西部を北東に流れ、隠岐の北からは東に流れ、若狭湾沖を北に流れていた
北緯37.5度付近からは北東に流れ、東経136度付近から南東に流れていた
佐渡島の西からは北北西に流れ、北緯40.5度付近からは東に流れて、津軽沖に達していた
津軽沖からは北西に向かう流れと津軽海峡に向かう流れに分かれていた
朝鮮半島東岸では時計回りの流れがみられた
対馬暖流の勢力(※7 平年並 平年並 平年より強い

(※)が付いている項目については、「海流の診断の見方」のページもあわせて参照ください。

 

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