日本近海の海流(月概況)

平成26年4月21日発表
気象庁地球環境・海洋部

診断(2014年3月)

  • 黒潮は、3月を通して沖縄の北西180km付近を流れていました。都井岬および足摺岬では3月を通して接岸して流れていました。室戸岬および潮岬では、3月上旬は離岸、中旬と下旬は接岸して流れていました。
  • 東海沖の最南位置は、3月上旬は北緯32.5度、東経140度付近、中旬以降は北緯32.5度、東経139度付近となっていました。伊豆諸島付近では、3月上旬は八丈島の南、中旬は三宅島付近、下旬は八丈島付近を流れていました。
  • 親潮は、3月を通して分枝構造がみられず、南限位置は、上旬は北緯39度、東経145度付近、中旬は北緯39度、東経143度付近(図中C)、下旬は北緯38.5度、東経143度付近でした。親潮の面積は、3月上旬は平年並でしたが、中旬は平年より大きく、下旬は平年よりかなり大きくなっていました。
  • 対馬暖流の勢力は、3月を通して平年並の状態でした。

日本近海の深さ100mの月平均水温分布図(2014年3月)
日本近海の深さ100mの月平均水温分布図(2014年3月)

この図の水温は速報値です。海洋のデータバンクの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがありますので、最新の資料は、データバンクをご利用ください。 海氷で覆われているため海面水温のデータがない海域は、灰色の網掛けで示しています。

解説

沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流

2014年3月の沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流の実況は、表1のとおりでした。

表1:沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流の旬ごとの経過
海域・項目 上旬 中旬 下旬
沖縄本島から北西沖の黒潮までの距離(※1 180km付近 180km付近 180km付近
トカラ海峡の黒潮の通過緯度/向き(※1 北緯29.6度/東 北緯30度/東南東 北緯29.7度/南東
都井岬での黒潮の離岸・接岸(※1 接岸 接岸 接岸
足摺岬での黒潮の離岸・接岸(※1 接岸 接岸 接岸
室戸岬での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸 接岸 接岸
潮岬での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸 接岸 接岸
東海沖の黒潮流路の最南位置(※2 北緯32.5度、東経140度付近 北緯32.5度、東経139度付近 北緯32.5度、東経139度付近
伊豆諸島付近の黒潮通過位置(※1 八丈島の南 三宅島付近 八丈島付近
房総半島での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸 離岸 接岸
その他の顕著な現象 沖縄の東の北緯25.5度、東経129度付近に暖水域がみられた(図中A)
四国沖の北緯31.5度、東経136.5度付近に暖水渦がみられた(図中B)
3月上旬には遠州灘に黒潮からの暖水波及がみられた

(※)が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。

 

日本の東と日本海の海流

2014年3月の日本の東と日本海の海流は、表2のとおりでした。

表2:日本の東と日本海の海流の旬ごとの経過
項目 上旬 中旬 下旬
親潮の沿岸寄りの分枝の南限位置(※3 北緯39度、東経145度付近 北緯39度、東経143度付近(図中C) 北緯38.5度、東経143度付近
親潮の沖合の分枝の南限位置(※3 なし なし なし
その他の親潮系冷水の位置 なし なし なし
親潮の面積(※4 平年並 平年より大きい 平年よりかなり大きい
津軽暖流の東端の経度(※5 東経141.5度付近(平年より西)(図中D) 東経141.5度付近(平年より西)(図中D) 東経142度付近(平年並)(図中D)
日本の東の黒潮系暖水の北限緯度(※6 北緯37度付近(平年より北)(図中E) 北緯36.5度付近(平年並) 北緯37度付近(平年より北)(図中E)
その他の日本の東の海流 なし
日本海の海流 対馬暖流は、3月を通して山陰沖西部を北東に流れていた
隠岐の北からは、3月上旬は山陰沖東部の暖水域に沿って時計回りに、中旬および下旬は若狭湾沖にかけて東南東に流れていた
能登沖からは、3月上旬は北東に流れ、北緯39.5度付近から秋田沖の暖水域に沿って時計回りに流れていた
中旬および下旬は、能登沖の冷水域の周りを反時計回りに流れ、北緯39.5度、東経138度付近から秋田沖の暖水域に沿って時計回りに流れて津軽沖に達していた
対馬暖流の勢力(※7 平年並 平年並 平年並

(※)が付いている項目については、「海流の診断の見方」のページもあわせて参照ください。

 

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