日本近海の海流
平成30年12月20日発表
気象庁地球環境・海洋部
診断(2018年12月中旬)
- 黒潮は大蛇行しています。
- 黒潮は、都井岬で接岸して、足摺岬、室戸岬、潮岬で離岸して流れています。
- 黒潮は、潮岬の南の北緯32度、東経135.5度付近から東南東に流れ、北緯31度、東経137.5度付近から北東に流れ、北緯32.5度、東経139.5度付近から北北西に流れ、北緯34度、東経138.5度付近から東北東に流れ、三宅島の北を通って、北緯35度、東経141度付近から北東に流れ、北緯36.5度、東経143度付近から東南東に流れています。房総半島では接岸して流れています。
- 親潮の南限位置は、北緯40.5度、東経144度付近にあり、親潮の面積は平年より大きくなっています。
- 対馬暖流の勢力は、平年より強くなっています。
日本近海の深さ100mの水温分布図(12月19日)
解説
沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流
2018年12月中旬の沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流の実況は、表1のとおりです。
表1:沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流の実況と見通し 海域・項目 実況 向こう1か月の見通し(注) 沖縄本島から北西沖の黒潮までの距離(※1) 190km付近 - トカラ海峡の黒潮の通過緯度/向き(※1) 北緯29.7度 / 東南東 - 都井岬での黒潮の離岸・接岸(※1) 接岸 接岸が続くが一時離岸する 足摺岬での黒潮の離岸・接岸(※1) 離岸 離岸と接岸を繰り返す 室戸岬での黒潮の離岸・接岸(※1) 離岸 離岸 潮岬での黒潮の離岸・接岸(※1) 離岸 離岸 東海沖の黒潮流路の最南位置(※2) 北緯31度、東経137.5度付近 北緯31度、東経138度付近 伊豆諸島付近の黒潮通過位置(※1) 三宅島の北 三宅島の北 房総半島での黒潮の離岸・接岸(※1) 接岸 接岸 その他の顕著な現象 遠州灘から熊野灘にかけて暖水域が、東海沖の北緯32.5度、東経137.5度付近、先島諸島の南の北緯23.5度、東経123度付近に冷水渦が、沖縄本島の東の北緯26.5度、東経130度付近、沖縄の南の北緯22度、東経124.5度付近に暖水渦が、それぞれみられる - (注)『 − 』は、海面水温・海流1か月予報に記載がない項目です。
(※)が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。
日本の東と日本海の海流
2018年12月中旬の日本の東と日本海の海流は、表2のとおりです。
表2:日本の東と日本海の海流の実況と見通し 項目 実況 向こう1か月の見通し(注) 親潮の沿岸寄りの分枝の南限位置(※3) 北緯40.5度、東経144度付近(図中A) 北緯39.5度、東経143.5度付近 親潮の沖合の分枝の南限位置(※3) なし なし その他の親潮系冷水の位置 北緯39.5度、東経144度付近(図中B) - 親潮の面積(※4) 平年より大きい 平年並 津軽暖流の東端の経度(※5) 東経143度付近(平年より西)(図中C) - 日本の東の黒潮系暖水の北限緯度(※6) 北緯37度付近(平年より南)(経度は東経143.5度付近)(図中D) - その他の日本の東の海流 本州東方の北緯38度、東経143.5度付近、北緯40度、東経146度付近に暖水渦がみられる - 日本海の海流 対馬暖流は、山陰沖西部を北東に流れ、隠岐の西の北緯36度、東経132.5度付近から北北東に流れ、日本海中部の北緯39度、東経134度付近から東に流れ、東経136度付近から南東に流れ、能登沖の北緯38度、東経137度付近から北に流れ、北緯40度付近から東に流れ、東経139.5度付近から北に流れ、津軽沖の北緯41.5度付近から東に流れて津軽海峡に達している
山陰沖東部から若狭湾沖では反時計回りの流れがみられる
秋田沖では時計回りの流れがみられる- 対馬暖流の勢力(※7) 平年より強い 平年より強いか、かなり強い (注)『 − 』は、海面水温・海流1か月予報に記載がない項目です。
(※)が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。
- 参考図:日本近海の深さ50mの海流分布図(12月19日)
- 参考図:日本近海の深さ200mの水温分布図(12月19日)
- 参考図:親潮の面積の時系列図
- 参考図:対馬暖流の勢力の時系列図