海面水温・海流（関東・東海・北陸周辺海域）
平成25年5月31日発表
東京管区気象台
診断（2013年5月下旬）
- 常磐沖から鹿島灘にかけて、海面水温が平年より2℃以上低い状態が続いています。
- 東海沖では海面水温が平年より高い海域がみられますが、伊豆諸島付近では海面水温がおおむね平年並です。
- 北陸周辺海域では、海面水温が平年より高くなりました。
- 黒潮は、潮岬で接岸し、東海沖では東経137.5度付近から南東に流れ、北緯31.5度、東経139.5度付近から北上し、八丈島の東を通って房総半島では離岸して北東に流れています。
- 対馬暖流は、東経135度付近では能登沖にみられる暖水域の西縁に沿って北に流れ、能登半島の北では東に向かって流れ、佐渡島付近を通って北に流れています。
関東・東海・北陸周辺海域の海面水温偏差分布図（5月30日）
海面水温の平年値(1981〜2010年の30年間の平均値)からの差を示しています。 偏差は、図の右にある0.5℃毎のスケールと同じ色で色分けされています。
この海面水温偏差の図は速報値です。海洋のデータバンクの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがありますので、最新の資料は、データバンクをご利用ください。
解説
海面水温
5月中旬に房総半島沿岸でみられた海面水温が平年より2℃以上低い海域はみられなくなりましたが、常磐沖から鹿島灘にかけて海面水温が平年より2℃以上低い状態が続いています。
関東の南東では、海面水温が平年より低い海域が縮小しました。
東海沖では海面水温が平年より高い海域がみられますが、伊豆諸島付近では海面水温がおおむね平年並です。
北陸周辺海域では、南よりの暖かい風の影響で、海面水温が平年より高くなりました。
海面水温の今後の見通し
北陸周辺海域および東海沖から伊豆諸島近海にかけての海面水温は、向こう1か月、平年より高くなるでしょう。
関東の南東の海面水温は、向こう1か月、平年並になるでしょう。
関東の東の海面水温は、向こう１か月、東経143度付近で平年より低くなるでしょう。
海流の実況と見通し
2013年5月下旬の関東・東海・北陸周辺海域の海流の実況と見通しは、表のとおりです。
表：関東・東海・北陸周辺海域の海流の実況と見通し 海域・項目 実況 向こう1か月の見通し（注） 潮岬での黒潮の離岸・接岸（※1） 接岸 6月下旬には離岸 東海沖の黒潮流路の最南位置（※2） 北緯31.5度、東経139.5度 北緯32度付近 伊豆諸島付近の黒潮通過位置（※1） 八丈島の南 八丈島の南 房総半島での黒潮の離岸・接岸（※1） 離岸 離岸 日本の東の黒潮系暖水の北限緯度（※3） 北緯38度付近（平年より北） − 関東・東海周辺海域のその他の顕著な現象 北緯33度、東経144度付近には冷水渦がみられる − 日本海の海流 対馬暖流は、東経135度付近では能登沖にみられる暖水域の西縁に沿ってを北に流れている
能登半島の北では東に向かって流れ、佐渡島付近を通って北に流れている− （注）『 − 』は、海面水温・海流1か月予報に記載がない項目です。
（※）が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。
- 参考図：関東・東海・北陸周辺海域の深さ50mの海流分布図（5月30日）
- 参考図：関東・東海・北陸周辺海域の深さ100mの水温分布図（5月30日）
- 参考図：関東・東海・北陸周辺海域の深さ200mの水温分布図（5月30日）
- 参考情報：暖水渦・冷水渦
海面水温の診断にあたって
- 1981〜2010年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。