海面水温・海流(関東・東海・北陸周辺海域)

平成25年4月19日発表
東京管区気象台

診断(2013年4月中旬)

  • 常磐沖の東経142度以東では、海面水温が平年よりかなり高い状態が続いています。
  • 潮岬沖から房総沖にかけて、海面水温が平年より高い海域が縮小し、平年より低い海域が見られるようになりました。
  • 北陸周辺海域では、海面水温が平年より低い海域が拡大しました。
  • 黒潮は、潮岬沖では離岸して流れ、三宅島付近を通って房総半島では離岸して流れています。
  • 対馬暖流は、若狭湾沖にみられる冷水渦の南側を東に流れ、能登半島の北からは北北東に流れています。

関東・東海・北陸周辺海域の海面水温偏差分布図(4月18日)
関東・東海・北陸周辺海域の海面水温偏差分布図(4月18日)

海面水温の平年値(1981〜2010年の30年間の平均値)からの差を示しています。 偏差は、図の右にある0.5℃毎のスケールと同じ色で色分けされています。

この海面水温偏差の図は速報値です。海洋のデータバンクの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがありますので、最新の資料は、データバンクをご利用ください。

解説

海面水温

常磐沖の東経142度以東では、海面水温が平年よりかなり高い状態が続いています。これは、黒潮系暖水が平年より北に張り出していることが原因と考えられます。

潮岬沖から房総沖にかけて、海面水温が平年より高い海域が縮小し、平年より海面水温が低い海域が見られるようになりました。これは、期間前半の発達した低気圧の通過に伴う寒気と強い風の影響が原因と考えられます。

熊野灘から遠州灘にかけて、黒潮からの暖水の流入で、海面水温が平年より1℃以上高い状態が続いています。

北陸周辺海域では、海面水温が平年より低い海域が拡大しました。

海面水温の今後の見通し

関東の東の海域の海面水温は、向こう1か月、平年より高いでしょう。

その他の関東・東海・北陸周辺海域の海面水温は、向こう1か月、平年並か平年より低い見込みです。

海流の実況と見通し

2013年4月中旬の関東・東海・北陸周辺海域の海流の実況と見通しは、表のとおりです。

表:関東・東海・北陸周辺海域の海流の実況と見通し
海域・項目 実況 向こう1か月の見通し(注)
潮岬での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸 離岸、接岸を繰り返す
東海沖の黒潮流路の最南位置(※2 北緯33.5度、東経140度
伊豆諸島付近の黒潮通過位置(※1 三宅島付近 八丈島付近
房総半島での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸 接岸して流れるようになる
日本の東の黒潮系暖水の北限緯度(※3 北緯37.5度付近(平年より北)
関東・東海周辺海域のその他の顕著な現象 特にみられない
日本海の海流 対馬暖流は、若狭湾沖にみられる冷水渦の南側を東に流れている。

(注)『 − 』は、海面水温・海流1か月予報に記載がない項目です。

(※)が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。


海面水温の診断にあたって

  • 1981〜2010年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。

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