海面水温・海流（北海道周辺海域）
平成28年1月8日発表
札幌管区気象台
診断（2016年1月上旬）
- 北海道周辺の海面水温は、広い範囲で平年より高い状態となっています。釧路沖では、引き続き海面水温が平年よりかなり高い海域がみられます。
- 親潮の南限位置は、東経148度以東に後退しました。
- 親潮の面積は、平年よりかなり小さい状態が続いています。
- 津軽暖流の東端は、平年並の位置にあります。
北海道周辺海域の海面水温平年差分布図（1月7日）
海面水温の平年値(1981〜2010年の30年間の平均値)からの差を示しています。 平年差は、図の右にある0.5℃毎のスケールと同じ色で色分けされています。 内湾域等は、薄い灰色で示しています。 また、海氷のために海面水温のデータがない海域は、灰色の網掛けで示しています。
この図の海面水温平年差は速報値です。北海道周辺海域のデータの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがあります。
解説
海面水温
北海道周辺の海面水温は、広い範囲で平年より高い状態が続いています。
日本海では、強風や寒気の影響により、海面水温が平年より1℃以上高い海域が縮小しました。釧路沖では、強風や寒気の影響により、海面水温が平年より3℃以上高い海域が縮小しましたが、下層の暖水の影響により、引き続き平年よりかなり高い海域がみられます。
海面水温の今後の見通し
向こう1か月、北海道周辺の海面水温は、日本海及び太平洋では平年より高い見込みです。釧路沖では平年よりかなり高い海域がみられるでしょう。 オホーツク海では平年並か平年より高い見込みです。
海流の実況と見通し
2016年1月上旬の北海道周辺海域の海流の実況と見通しは、表のとおりです。
表：北海道周辺海域の海流の実況と見通し 海域・項目 実況 向こう1か月の見通し（注） 親潮の沿岸寄りの分枝の南限位置（※1） 東経148度以東（北緯41.5度、東経149度付近） 北緯41.5度、東経145度付近となる 親潮の沖合の分枝の南限位置（※1） なし − その他の親潮系冷水の位置 特にみられない − 親潮の面積（※2） 平年よりかなり小さい 平年よりかなり小さい 津軽暖流の東端の経度（※3） 東経143度付近（平年並） − 日本の東のその他の顕著な現象 三陸沖から釧路沖の北緯40.5度、東経143.5度から北緯41度、東経145.5度にかけて暖水域がみられる − 日本海の海流 檜山・津軽沖に北向きの流れがみられる − （注）『 − 』は、海面水温・海流1か月予報に記載がない項目です。
（※）が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。
海面水温の診断にあたって
- 1981〜2010年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位（下位）1/10以上（以下）を「平年よりかなり高い（低い）」としています。