海面水温・海流(北海道周辺海域)

平成27年5月8日発表
札幌管区気象台

診断(2015年5月上旬)

  • 北海道周辺の海面水温は、太平洋では平年より高い海域が拡大し、釧路沖では平年よりかなり高い海域が拡大しました。日本海では海面水温が平年より高い海域が縮小しました。
  • 親潮の面積は、平年よりかなり小さくなりました。
  • 津軽暖流の東端は、平年並の位置にあります。
  • 檜山沖では東経139.5度付近に北向きの流れがみられます。

北海道周辺海域の海面水温平年差分布図(5月7日)
北海道周辺海域の海面水温平年差分布図(5月7日)

海面水温の平年値(1981〜2010年の30年間の平均値)からの差を示しています。 平年差は、図の右にある0.5℃毎のスケールと同じ色で色分けされています。 内湾域等は、薄い灰色で示しています。 また、海氷のために海面水温のデータがない海域は、灰色の網掛けで示しています。

この図の海面水温平年差は速報値です。北海道周辺海域のデータの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがあります。

解説

海面水温

北海道周辺の海面水温は、太平洋では高気圧に覆われて平年より日射量が多かった影響で平年より大きく上昇しました。日高沖では海面水温が平年より低い海域が縮小しました。釧路沖では日射量が多かった影響に加え暖水の影響もあり、海面水温が平年よりかなり高い海域が拡大しました。

日本海では風の強い日が多かった影響で、海面水温が平年より高い海域が縮小しました。

オホーツク海の網走沖では、海面水温が平年より高い海域がみられます。

海面水温の今後の見通し

向こう1か月、北海道周辺の海面水温は、太平洋では平年より高く、釧路沖ではかなり高い海域がみられるでしょう。日本海では平年並か平年より低いでしょう。オホーツク海では平年並か平年より高いでしょう。

海流の実況と見通し

2015年5月上旬の北海道周辺海域の海流の実況と見通しは、表のとおりです。

表:北海道周辺海域の海流の実況と見通し
海域・項目 実況 向こう1か月の見通し(注)
親潮の沿岸寄りの分枝の南限位置(※1 北緯40度、東経143度付近 北緯40.5度、東経143度付近
親潮の沖合の分枝の南限位置(※1 なし
その他の親潮系冷水の位置 北緯39度、東経143度
親潮の面積(※2 平年よりかなり小さい 平年より小さい
津軽暖流の東端の経度(※3 東経142.5度付近(平年並)
日本の東のその他の顕著な現象 特にみられない
日本海の海流 檜山沖では東経139.5度付近に北向きの流れがみられる

(注)『 − 』は、海面水温・海流1か月予報に記載がない項目です。

(※)が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。


海面水温の診断にあたって

  • 1981〜2010年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり高い(低い)」としています。

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