海面水温・海流(北海道周辺海域)
平成27年4月10日発表
札幌管区気象台
診断(2015年4月上旬)
- 北海道周辺の海面水温は、日本海と釧路沖では平年よりかなり高い海域がみられます。一方、日高沖では海面水温が平年よりかなり低い海域がみられます。
- 親潮の面積は、平年並となりました。
- 津軽暖流の東端は、平年より東の位置にあります。
- 檜山沖では東経139.5度付近に北向きの流れが、留萌沖では東経140.5度付近に北向きの流れがみられます。
北海道周辺海域の海面水温平年差分布図(4月9日)
解説
海面水温
北海道周辺の海面水温は、日本海の北海道西方では1月上旬以降、平年より高い状態が続き、かなり高い海域もみられます。また、太平洋の釧路沖では、暖水の影響により海面水温が平年よりかなり高い海域がみられます。
一方、太平洋の三陸沖から日高沖にかけては、海面水温が平年より2℃以上低い海域がみられます。日高沖とその南の海面水温は1月下旬以降、平年より低い状態が続いています。これは親潮の影響によるものと考えられます。
海面水温の今後の見通し
向こう1か月、北海道周辺の海面水温は、日本海では北緯42度以北で平年より高いでしょう。太平洋の釧路沖では平年並か平年より高い見込みですが、日高沖では平年より低いでしょう。
海流の実況と見通し
2015年4月上旬の北海道周辺海域の海流の実況と見通しは、表のとおりです。
表:北海道周辺海域の海流の実況と見通し 海域・項目 実況 向こう1か月の見通し(注) 親潮の沿岸寄りの分枝の南限位置(※1) 北緯39度、東経143度付近 北緯38.5度、東経143度付近 親潮の沖合の分枝の南限位置(※1) なし 北緯40.5度、東経148度付近 その他の親潮系冷水の位置 北緯37度、東経141.5度付近 − 親潮の面積(※2) 平年並 平年並か平年より小さい 津軽暖流の東端の経度(※3) 東経142.5度付近(平年より東) − 日本の東のその他の顕著な現象 特にみられない − 日本海の海流 檜山沖では東経139.5度付近に北向きの流れが、留萌沖では東経140度付近に北向きの流れがみられる − (注)『 − 』は、海面水温・海流1か月予報に記載がない項目です。
(※)が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。
海面水温の診断にあたって
- 1981〜2010年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり高い(低い)」としています。