海面水温・海流(北海道周辺海域)

平成26年8月29日発表
札幌管区気象台

診断(2014年8月下旬)

  • 北海道周辺の海面水温は、オホーツク海と千島近海では、平年より2℃以上高い海域が縮小しました。一方、釧路沖では海面水温が平年よりかなり高い状態が続いています。
  • 親潮の面積は、平年より小さくなっています。
  • 津軽暖流の東端は、平年より西の位置にあります。
  • 日本海では、積丹半島西方にみられる暖水域に沿って流れがみられます。

北海道周辺海域の海面水温平年差分布図(8月28日)
北海道周辺海域の海面水温平年差分布図(8月28日)

海面水温の平年値(1981〜2010年の30年間の平均値)からの差を示しています。 平年差は、図の右にある0.5℃毎のスケールと同じ色で色分けされています。 内湾域等は、薄い灰色で示しています。 また、海氷のために海面水温のデータがない海域は、灰色の網掛けで示しています。

この図の海面水温平年差は速報値です。海洋のデータバンクの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがありますので、最新の資料は、データバンクをご利用ください。

解説

海面水温

北海道周辺の海面水温は、オホーツク海と千島近海では、平年より2℃以上高い海域が縮小しました。 これは北よりの風が吹いていたことが要因として考えられます。一方、釧路沖では6月下旬以降、暖水の影響により海面水温が平年よりかなり高い状態が続いています。

海面水温の今後の見通し

向こう1か月、北海道周辺の海面水温は、太平洋とオホーツク海では平年並か平年より高いでしょう。日本海は平年並か平年より低い見込みです。

  

海流の実況と見通し

2014年8月下旬の北海道周辺海域の海流の実況と見通しは、表のとおりです。

表:北海道周辺海域の海流の実況と見通し
海域・項目 実況 向こう1か月の見通し(注)
親潮の沿岸寄りの分枝の南限位置(※1 北緯39.5度、東経143度付近 北緯41度、東経147度付近
親潮の沖合の分枝の南限位置(※1 なし なし
その他の親潮系冷水の位置 特にみられない
親潮の面積(※2 平年より小さい 平年より小さい
津軽暖流の東端の経度(※3 東経143度付近(平年より西)
日本の東のその他の顕著な現象 釧路沖の北緯42度、東経146度付近に暖水域がみられる
日本海の海流 積丹半島西方にみられる暖水域に沿って流れがみられる

(注)『 − 』は、海面水温・海流1か月予報に記載がない項目です。

(※)が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。


海面水温の診断にあたって

  • 1981〜2010年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり高い(低い)」としています。

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