海面水温・海流(北海道周辺海域)

平成26年7月18日発表
札幌管区気象台

診断(2014年7月中旬)

  • 北海道周辺の海面水温は、広い範囲で平年よりかなり高くなっています。
  • 親潮の面積は、平年より小さくなっています。
  • 津軽暖流の東端は、平年並の位置にあります。
  • 日本海では、積丹半島西方にみられる暖水域に沿って流れがみられます。

北海道周辺海域の海面水温平年差分布図(7月17日)
北海道周辺海域の海面水温平年差分布図(7月17日)

海面水温の平年値(1981〜2010年の30年間の平均値)からの差を示しています。 平年差は、図の右にある0.5℃毎のスケールと同じ色で色分けされています。 内湾域等は、薄い灰色で示しています。 また、海氷のために海面水温のデータがない海域は、灰色の網掛けで示しています。

この図の海面水温平年差は速報値です。海洋のデータバンクの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがありますので、最新の資料は、データバンクをご利用ください。

解説

海面水温

北海道周辺では、平年より風が弱く日射量が多かったため、日本海やオホーツク海では海面水温が平年より大きく上昇しました。これにより、日本海では海面水温が平年よりかなり高い海域が拡大し、オホーツク海の網走沖でも平年よりかなり高くなりました。

太平洋では、台風から変わった温帯低気圧に伴う強風により上層と下層の水がかき混ぜられたため、海面水温が日本海やオホーツク海ほどには上昇しませんでしたが、 釧路沖では6月下旬から平年よりかなり高い状態が続いています。

海面水温の今後の見通し

向こう1か月、北海道周辺の海面水温は、日本海と太平洋で平年より高い見込みです。

海流の実況と見通し

2014年7月中旬の北海道周辺海域の海流の実況と見通しは、表のとおりです。

表:北海道周辺海域の海流の実況と見通し
海域・項目 実況 向こう1か月の見通し(注)
親潮の沿岸寄りの分枝の南限位置(※1 北緯39.5度、東経143度付近 北緯39.5度、東経143度付近
親潮の沖合の分枝の南限位置(※1 北緯40度、東経148度付近 北緯40度、東経146.5度付近
その他の親潮系冷水の位置 特にみられない
親潮の面積(※2 平年より小さい 8月上旬には平年並になる
津軽暖流の東端の経度(※3 東経143度付近(平年並)
日本の東のその他の顕著な現象 特にみられない
日本海の海流 積丹半島西方にみられる暖水域に沿って流れがみられる

(注)『 − 』は、海面水温・海流1か月予報に記載がない項目です。

(※)が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。


海面水温の診断にあたって

  • 1981〜2010年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり高い(低い)」としています。

このページのトップへ