海面水温・海流(北海道周辺海域)

平成25年10月10日発表
札幌管区気象台

診断(2013年10月上旬)

  • 北海道周辺の海面水温は、平年より高い状態が続いており、北海道南東方では、海面水温が平年より1℃以上高い海域が拡大しました。
  • 親潮の面積は、平年より小さい状態が続いています。
  • 津軽暖流の東端は、平年より西の位置にあります。
  • 日本海の海流は、檜山・津軽沖では北に向かう流れがみられます。

北海道周辺海域の海面水温平年差分布図(10月9日)
北海道周辺海域の海面水温平年差分布図(10月9日)

海面水温の平年値(1981〜2010年の30年間の平均値)からの差を示しています。 平年差は、図の右にある0.5℃毎のスケールと同じ色で色分けされています。 内湾域等は、薄い灰色で示しています。 また、海氷のために海面水温のデータがない海域は、灰色の網掛けで示しています。

この図の海面水温平年差は速報値です。海洋のデータバンクの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがありますので、最新の資料は、データバンクをご利用ください。

解説

海面水温

北海道周辺の海面水温は、平年より高い状態が続いています。特に北海道南東方では、海面水温が平年より1℃以上高い海域が拡大し、平年より3℃以上高い海域もみられます。北海道南東方では、平年では10日間で海面水温が約0.5℃〜1℃低下する時期ですが、南からの温かい空気の影響により、海面水温が平年ほど低下せず、また、黒潮から分かれて北上した暖水の影響を受けた海域では、海面水温が10日間で1℃程度上昇した海域もみられます。

海面水温の今後の見通し

向こう1か月、北海道周辺の海面水温は、日本海で平年並か平年より高くなる他は、平年より高い状態が続くでしょう。

海流の実況と見通し

2013年10月上旬の北海道周辺海域の海流の実況と見通しは、表のとおりです。

表:北海道周辺海域の海流の実況と見通し
海域・項目 実況 向こう1か月の見通し(注)
親潮の沿岸寄りの分枝の南限位置(※1 北緯39度、東経147度付近 北緯39.5度、東経147度付近
親潮の沖合の分枝の南限位置(※1 なし なし
その他の親潮系冷水の位置 北緯37度、東経143.5度付近
親潮の面積(※2 平年より小さい 平年より小さい状態が続く
津軽暖流の東端の経度(※3 東経143度付近(平年より西)
日本の東のその他の顕著な現象 釧路沖の北緯42度、東経147度付近に暖水域がみられる
北緯41.5度、東経144.5度付近に冷水域がみられる
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日本海の海流 檜山・津軽沖では北に向かう流れがみられる。留萌沖には、暖水域の周りに時計回りの流れがみられる

(注)『 − 』は、海面水温・海流1か月予報に記載がない項目です。

(※)が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。


海面水温の診断にあたって

  • 1981〜2010年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。

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