海面水温・海流（北海道周辺海域）
平成25年6月10日発表
札幌管区気象台
診断（2013年6月上旬）
- 北海道周辺の海面水温は、平年より高くなりました。
- 親潮の面積は、平年より小さくなりました。
- 津軽暖流の東端は、平年並の位置にあります。
北海道周辺海域の海面水温偏差分布図（6月9日）
海面水温の平年値(1981〜2010年の30年間の平均値)からの差を示しています。 偏差は、図の右にある0.5℃毎のスケールと同じ色で色分けされています。 海氷で覆われているため海面水温のデータがない海域は、灰色の網掛けで示しています。
この海面水温偏差の図は速報値です。海洋のデータバンクの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがありますので、最新の資料は、データバンクをご利用ください。
解説
海面水温
北海道周辺では、平年では海面水温が10日間で1℃程度上昇する時期ですが、日本海および太平洋の東経143度以西では高気圧におおわれて日射量が平年より多かった影響で、海面水温が平年より大きく上昇した海域が広くみられました。
太平洋の日高沖では、海面水温が平年より1℃以上低い海域が縮小しました。また、釧路沖の東経145度から東経147度付近には、海面水温が平年より2℃以上高い海域がみられます。これは、黒潮から分かれて北上した暖水の影響と考えられます。
日本海では、海面水温が平年より1℃以上高い海域がみられるようになりました。
オホーツク海の網走沖では、海面水温が平年より1℃以上高い海域がみられます。
海面水温の今後の見通し
向こう１か月、北海道周辺の海面水温は、北海道東方では、平年より低い状態が続きますが、釧路沖の東経146度付近では平年より高い状態が続くでしょう。日本海では、平年並か平年より低い状態となるでしょう。網走沖では、平年より高い状態が続くでしょう。
海流の実況と見通し
2013年6月上旬の北海道周辺海域の海流の実況と見通しは、表のとおりです。
表：北海道周辺海域の海流の実況と見通し 海域・項目 実況 向こう1か月の見通し（注） 親潮の沿岸寄りの分枝の南限位置（※1） 北緯39.5度、東経143.5度付近 北緯40度、東経146.5度付近 親潮の沖合の分枝の南限位置（※1） 北緯40度、東経148度付近 - その他の親潮系冷水の位置 宮城県沖から常磐沖の北緯36.5度付近まで - 親潮の面積（※2） 平年より小さい 平年よりかなり小さい 津軽暖流の東端の経度（※3） 東経142.5度付近（平年並） − 日本の東のその他の顕著な現象 − − 日本海の海流 対馬暖流は、津軽海峡西方では139E付近を北に流れている − （注）『 − 』は、海面水温・海流1か月予報に記載がない項目です。
（※）が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。
海面水温の診断にあたって
- 1981〜2010年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。